楽しいことをしていると感じるために必要な9つの要素

この記事は約8分で読めます。

世の中に楽しいことはたくさんありますし、人間特に目標を持たず何も計画を立てなければ自然と楽しいことばかりしてしまうそうです。

しかし、楽しいことにも種類がありますよね。

  1. 有意義でも生産的でもないけど楽しい
  2. 有意義で生産的だけど楽しい

理想は2番。

1番は夏休みの宿題を気にかけて遊ぶ小学生のような気分になってしまいますので、本当に楽しいのはやはり2番でしょう。

有意義で生産的なことを、楽しいことだと感じるためにはどうすればいいのか?

それについて書いていきます。

楽しいことをしている時に頭の中はどうなっているのか?

活動(楽しいこと)に打ち込んでいる時に感じる経験の質が、その活動(楽しいこと)のやる気を継続させている。

やればやるほどやる気が出るという状態のことを、フローといいます。

フローは美味しいチャーハンを食べた時の仕組みと似ています。

  • 最初の一口を食べる
  • 美味しいのでご飯が欲しくなる
  • なので次の一口を食べる
  • 美味しいのでご飯が欲しくなる
  • 以下なくなるまで繰り返し

一度ハマったゲームも、コンテンツがなくなるまではずっと繰り返しプレイしてしまいますよね?

有意義で生産的なことを、そのようにプレイしたいのです。

そういったことは一般的に面白くないし面倒くさいイメージがあるのですが、「やり方の問題である」という考え方ですね。

楽しいことをしていると感じる9つの要素

ミハイ博士が、楽しいことをしているように見えるのだけど金銭や名声で報われていない人を研究した結果、楽しさには9つの要素があることがわかりました。

  1. 過程のすべての段階に明確な目標がある
  2. 行動に対する即座のフィードバックがある
  3. 挑戦と能力が釣り合っている
  4. 行為と意識が融合する
  5. 気を散らすものが意識から締め出される
  6. 失敗の不安がない
  7. 自意識が消失する
  8. 時間感覚が歪む
  9. 活動が自己目的的になる

M.チクセントミハイ クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学 から引用

それでは1つづつ見ていきましょう。

1. 過程のすべての段階に明確な目標がある

代表的なのがRPG(ロールプレイングゲーム)で、手順や目標が非常に明確です。

戦闘を繰り返してキャラクターを強くして、ボスを倒す。

全ての新作RPGはやる前からゲーム内容がほとんどわかっているのに、よほど酷い出来じゃないもの以外は面白いのは明確な目標があるから。

逆に楽しくないものの代表は、新しい仕事についた時の初日でしょう。

右も左もわからないので、全然楽しくない上にとても居心地が悪いですよね。

楽しいと感じるためには明確な目標や計画が必要。

2. 行動に対する即座のフィードバックがある

簡単に言うと、行動するたびにうまくいっているかどうか確認できる状態です。

ゲームの場合は行動がうまくいっている場合は、心地よい音が出て、逆の場合は不快な音が出るようになっています。

リアルタイムではっきりスコアが計測できない場合、「よし、うまくいってるな」と主観的に思えるならばOKです。

もっと言えば、うまくいっているかどうかという事実よりも、うまくいっている感のほうがずっと大切。

 

また、ステータスなどが数字で記録されるゲームはフィードバックが得やすいです。

なので、日々の生活や趣味の記録はなるべく取ったほうが良いことになります。

記録を取らずに楽しむのは難しいでしょう。

進捗状況が全くわからないので、前進しているのかどうかが体感でしかわからないからです。

記録さえあれば、自分の体調が悪い時でも順調に進んでいると確認することができますね。

3. 挑戦と能力が釣り合っている

  1. 課題に対して自分の能力が高すぎる=挫折感
  2. 課題に対して自分の能力が低すぎる=退屈
  3. 課題に対して自分の能力が釣り合っている=楽しい

人間は慣れというものがあるので、よっぽど退屈なこと以外はそのうち楽しくなってくる仕組みです。

ゲームの場合、最初は驚くほど簡単で、後になるほど段々難しくなっていくというデザインです。

ですが普段の生活の大半は、そこまで親切な作りになっていません。

なので新しく始めた事の大半は難しすぎて不安や挫折しか感じないのですが、続けていれば少しずつ楽になっていって、最後には楽しめるようになります(多分)。

段々楽になっていくというのは、人類史と一緒ですね。

4. 行為と意識が融合する

心が今やっていることから離れることは珍しいことではありませんよね。

「あと30分で帰れる!!」とか、「好きな番組が20分後に始まる!!」とか、集中力が今していること以外に使われてる状態は頻繁にあります。

今やっていることだけに集中することが大事。

別なことを考えていては楽しむことはできません。

5. 気を散らすものが意識から締め出される

4と似ていますが、これは集中したあと、集中している最中の状態ですね。

楽しいことをしている時に、食事や風呂の掃除を忘れる現象のことです。

人間は「気晴らしに何かをする」ということがありますが、楽しいことをしている最中は抑鬱や不安に悩まされないというのは、誰もが経験的に知っていることだと思います。

6. 失敗の不安がない

成功を確信しているとかではなくて、深く集中しているので単純に「失敗したらどうしよう」と思わないだけです。

失敗を恐れながら集中している人というのは、あまり見たことがありませんし、簡単にはイメージできませんよね?

つまり、人間は失敗しても大丈夫なことは集中しやすいし楽しい。

逆に取り返しがつかない要素があるものは、全然楽しくありません。

7. 自意識が消失する

「自分は他人にどう見られているか?」

誰でもある程度、他人の目を気にしながら普段の生活を送っています。

人に良く思われようという意識は脳のエネルギー消費が特別大きい、なので人の目を気にしながら何かを集中する、学ぶ、楽しむというのは難しいのです。

身だしなみは大事ですが、何かを楽しもうという時、他人の目は気にしないほうがいいでしょう。

 

疲れやすい人は、脳に負担のかかることを多くしているのが原因

8. 時間感覚が歪む

誰もが経験していることなので、説明は不要ですね。

勉強や仕事の場合、時間が短く感じるほど長く集中できることになるので有利でしょう。

9. 活動が自己目的的になる

1~8の状態が全て存在すると、何をしていても楽しさを感じるそうです。

自己目的的というのは、やりたいからやるという状態のこと。

例えばスマホでソーシャルゲームをするというのは、非常に自己目的的です。

ソーシャルゲームをしているというのは、一般的に人に自慢できることではないですよね?

なのでソーシャルゲームをするのは、ソーシャルゲームをするという経験以外に目的がありません。

だからプレイしている人はみんな凄く楽しんでいる人が多いのです。

 

ちなみにギリシャ語で

  1. 自己目的=オートテリック(autotelic)=楽しいからやる
  2. 外目的的=エクソテリック(exotelic)=他の目標のためにやる

というそうです。

楽しむためには具体的に何をすればいいのか?

楽しいことをしていると感じる9つの要素のうち、いくつかは意識する必要がないものがあります。

  • 時間感覚が歪む
  • 活動が自己目的的になる

この2つは知っているだけで良さそうです。

それでは、事前の準備と楽しいことをしている最中に分けて考えてみましょう。

事前の準備

  1. 計画を立てる
  2. 記録を取る
  3. 今後の予定を確認しておく
  4. 失敗しても大丈夫な環境を作る
  5. 他人の目を気にしない

フローの9つの要素でいうと、上から1、2、4、6、7に対応しています。

楽しいことをしている最中

  1. 自分にポジティブな語りかけをし続ける
  2. 挑戦と能力の釣り合いを保つ

粘り強く物事に取り組む人というのは、絶えず自分にポジティブな語りかけをしているそうです。

好意的なフィードバックを得ることで集中力が上がって気分も良くなるのであれば、やったほうが絶対に得でしょう。

逆に何かをしている時に、否定的な言葉を自分にかけるのは避けたほうが無難です(良いか悪いかは終わった後に判断しよう)。

 

海軍の調査で、グリットを持った人びとが逆境に耐える際に行っている(ときに無意識に)いくつかのことが明らかになった。

そのなかに、心理学的調査で何度も浮かびあがった1つの習性があった。

それは「ポジティブな心のつぶやき」だった。

もちろん、海軍シールズは腕っぷしの強い者を求めていたが、そうした隊員になれる秘訣の1つは、「小さな機関車リトルエンジン」のように、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と自分を励ますことだったのだ。

残酷すぎる成功法則 97Pより抜粋

 

挑戦と能力の釣り合いを保つには様々な方法が考えられます。

  1. 難易度を下げる(上げる)
  2. 取り組む時間を短くする(長くする)
  3. 自分の得意な分野に置き換える
  4. 中ぐらいを目指す

1と2はハードルを下げる単純なやり方ですね。

手をつけやすくなるし、少しづつ頻繁にしたほうが人間は覚えやすいように出来ています。

3はアナロジーといって、馴染みのあるものに置き換えること、例え話は理解しやすいという話。

「未知を解く最もありふれた方法として良い」と言われています。

4は嫌な気分よさようならという最も有名なうつ病のセルフヘルプ本に書いてあった方法です。

中ぐらいも完璧と同じ幻想でしかないのですが、完璧と違って中ぐらいはとても役に立つ幻想なのだと。

中ぐらいを目指す努力は、あらゆる面で人間を豊かにするのだそうです。

終わりに

フローを作る

世間一般の人が慣れ親しんでいるゲームで考えると、ほぼ全ての人が事前の準備1~5をしっかりクリアしているように見えます。

他人の目を気にする人は最初からスマホでゲームなんかしない、真理だと思う。

反対に楽しいことをしている最中の条件、クリアできている人は非常に少ない気がします。

ポジティブな心のつぶやきを繰り返せるような人は珍しいですし、中ぐらいを目指す人というのも珍しいですよね?

おそらく事前の準備はシステムで、楽しいことをしている最中の工夫はプレイングだからなのでしょう。

「ポジティブな心のつぶやき」と「中ぐらいを目指す」、この2つのテクニックで大抵のことは驚くほど楽しくなります。

コメント