マジック:ザ・ギャザリングのデザイナー、マーク・ローズウォーターによると、プレイヤーを美学的分類に分けた場合、次の2つのタイプがあるそうです。
- メルヴィン、メカニズムに注目するタイプ
- ヴォーソスは、フレーバーの文脈に美を見いだすタイプ
この説明だけで8割くらいの意味が理解できたかと思います。
美学的に分けたプレイヤータイプを知っておくと次のような良いことがあります。
- プレイヤー同士の会話が盛り上がる
- 自分自身や親しい人を分析しやすくなる
- 自分が何を重要だと思う傾向があるのか知ることができる
単純な話、自分が何を好きか知っていれば、人生全般に意味を見いだしやすくなります。
逆に好きなものがわからないと、モチベーションを維持するのは辛いものになるでしょう。
価値や意味を見いだすことの重要性
価値や意味がないと思えば、モチベーションが沸かないし、理解もできない。
例えばあなたが今この文章を読んでいるのは、読むに値する価値があると思ってくれているから。
学習の6ステップ
- 価値を見いだす
- 目標を決める
- 能力を伸ばす
- 発展させる
- 関係づける
- 再考する
こういったリストは、最初の1つが全体の半分くらいの重要度だったりします。
何事も第一歩は価値を見いだすこと、それだけ覚えておけば大体OK。
意味を見いだせないと虚無になる
虚無というのは、価値があると思えるものがない状態のことを言います。
ニーチェは人生が無意味だと思うと、人はニヒリズム(虚無主義)になってしまうと言いました。
ソーシャルゲームではコンテンツ実装が遅れてやることがない期間を、虚無期間と言うそうですが、それと全く同じ意味ですね。
ソシャゲユーザーが哲学的に正しい表現を日常的に使っている事実に驚いてしまうのだけど、実際にとても正しい使い方をしています。
ニヒリズムの境地にいる人は何一つ満足に習得できませんが、逆に「自分がどのようなものに価値を見い出しやすいのか?」という傾向を掴んでおけば、モチベーションの面で大幅に有利になりますね。
ソシャゲ以外で強くなるには、やる気が重要です。
別に強くなる必要はないのですが、自分の人生には意味もしくは好きなことがあると思えたほうが建設的でしょう。
メルヴィンとヴォーソス
一応2つは相反する要素ではありませんので、組み合わせと比率になります。
- メルヴィンだけどヴォーソスではない
- メルヴィンじゃないけどヴォーソス
- メルヴィンでもありヴォーソスでもある
- メルヴィンでもヴォーソスでもない
僕は極端に1。
ポジティブ心理学の第一人者ショーン・エイカーが言うには、人生の意味はたくさんあるほうが良いというので、単純に考えると3が有利。
僕の場合はメルヴィンっぽいものを集めて、2ならヴォーソスっぽいものを集めるのが簡単な方法となります。
4なら粘り強く取り組んだこと以外に価値を見いだしにくいですが、気が散りにくいという大きなメリットがありますね。
メルヴィン
メルヴィンが興味を持つ価値観や言葉というのは大体次の通り。
メカニズム、仕組み、相互の繋がり、デザインの制限、コストパフォーマンス、効率的であるかどうか、システム、ルール、テンプレート、パターン、プロセス、文脈。
特別に頭の良い人しか持ち合わせていない感覚だと思った人がいるかもしれませんが、誰でも少しは持っている感覚です。
よく言われることで、人間はピシッとしたデザインが好きとか、直感的に理解できるものは重要だと思う性質などがありますよね。
他にもルールを決めてその枠組で遊んだり競ったりする行為を、ゲームやスポーツと呼びます。
メルヴィンは厳密なルールがデザインを制限する中で、なお多様性を作り出してくれる繊細な技術を味わうことを楽しむと言われています。
ヴォーソス
ヴォーソスが興味を持つ価値観や言葉というのは大体次の通り。
ヴォーソスはカードを評価する際、個々の雰囲気、どのように全体と混ざり合うか、感情の動き、芸術性。
しかし僕自身のヴォーソス度が極端に低いので、ヴォーソスについては全然詳しく書けません。
自分はヴォーソス度が低いということを人に話すと、「知ってる」みたいな反応をされるので、今この文章を読んでくれている人も諦めているものだと思います。
ですので、みんなが良いと言っているのに、僕は全然良いと思わない事柄について書いていくことにしましょう。
- 美少女のイラスト
- アニメ
- かぐや様は告らせたい
- 綺麗な風景や人物の写真
- 他人のゲーム配信など
ここらへん、1ミリも良いと思えません。
特に「かくや様は告らせたい」に関しては、「この漫画のどこらへんが面白いのだろう?」と思いながら毎週ちゃんと読んでいるのですが、いまだに一度も面白いと思ったことがありません。
メルヴィンに偏っている僕からすると、財閥のお嬢様で容姿も知能も難がない主人公が恋愛に悩むというのは、ちょっと非現実的すぎるなという感想になってしまう。
僕の場合は恋愛作品全般が全然面白くないんですが、おそらく感情の動きを楽しむコンテンツだからなのでしょう。
かくや様は告らせたいは凄く人気がある漫画なのですが、戦闘シーンがないので退屈です。
ヴォーソスは、カードの生み出しうるゲームのプレイをより豊かな体験にしてくれる感情の動きを楽しむ、と言われています。
タイプ別、好きなことへのアプローチの仕方
MTGカードゲームデザイナー(マーク・ローズウォーター)の手法だと
- フレーバーから作成するのがトップダウン(ヴォーソス)
- メカニズムから作成するのがボトムアップ(メルヴィン)
と、なるようです。
MTGのカードをデザインしたことがないので文章の場合で説明してみましょう。
小説はトップダウン。
村上春樹のねじまき鳥クロニクルの場合だと「30歳の男がキッチンでパスタを茹でている時に電話が鳴る」というシーンを最初に思いついて、そこから書いていったそうです。
村上春樹は「先がわかるものは書く意味がない」とまで言っています。
反対にブログの記事や読書感想文、なろう小説はボトムアップである場合が多いですね。
先に枠組み(テンプレートやアウトラインなど)を作ってから書いていく。
つまり何かを創作する場合、あなたや相手がヴォーソスならばトップダウンが有効で、その逆ならばボトムアップが向いているでしょう。
世界中でMinecraftやレゴブロックが人気の理由
自分にとって関わりが深いもの、つまり意味のあるものが作れるからだそうです。
自分は2つともやったことがないですが、親しい友人や恋人とMinecraftで何か作ったりするのは想像するだけで楽しそうです。
レゴブロックならばガンダムを作ってみたいですね(メルヴィンは組み立て式プラモデルよりレゴを好む)。
やはりヴォーソスの場合、作りたいものが先にくるのでトップダウン。
メルヴィンの場合、システムや制作手法に関心が先にくるのでボトムアップとなりそうです。
終わりに
書いたこと
- メルヴィンはメカニズムが好き
- ヴォーソスはフレーバーが好き
- 意味や価値を見いだすことの重要性
- 人生には意味や好きな事が多いほど良い
- 好きなことや目標へのアプローチの仕方
以前、心理学的分類から見たプレイヤータイプの記事を書いた時、自分はジョニーという意味を見いだすプレイヤータイプが欠けているなと感じました。
その原因というのは、自分は何が好きなのかあまり考えたことがなかったという単純なものだと気づいたので、この記事を書くことにしたのです。
美しさとは見た目だけに宿るものではない、という話でした。
関連記事>>>12のプレイヤータイプ分類から、3つのうち欠けている幸せがわかる
外部記事>>>ヴォーソスとメル(メルヴィン)
参考にした書籍
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かなりの名著、何をする時にも凄く役に立つけど内容は非常に難しい。
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読みやすい本で、モチベーションの高め方などのエクササイズがたくさん乗っている。
こちらは対戦ゲームをする人にオススメしたい。