効率的な記憶方法の具体的な手順【忘却曲線と分散学習】

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この記事の内容は主に次の3つ。

  1. 忘却曲線と復習の重要性
  2. 効率的な記憶方法
  3. そのための具体的な方法

忘却曲線のことだけを知っても情報を活かしにくいので、具体的な学習プロセスまで書いておくといった内容だ。

 

他には「今持っている知識が、その人の潜在的な学習能力を予測する最も確実な手がかり」のことを知識効果(ナレッジ・エフェクト)という。

 

今まで学んだことを忘れていなければ、我々はもっとずっと賢かったという話。

 

それでは、忘れていくことへの対策を立てていくことにしよう。

忘却曲線を知ると復習の重要性がわかる

記憶にはタイマーのようなものが付いていて、一定期間内に思い出さないと忘れてしまう。

 

心理学者のヘルマン・エビングハウスという人の実験で次のことがわかった。

エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。結果は以下のようになった。

20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
約9時間後には、節約率は35%であった。
1日後には、節約率が34%であった。
2日後には、節約率が27%であった。
6日後には、節約率が25%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。

Wikipedia 忘却曲線より引用

節約率というのは、覚え直す時の労力みたいなもの。

 

最初覚えるのに100秒かかったことを1ヶ月後に覚えなおすと、79秒で済むというのが節約率だ。(1ヶ月後の節約率は21%)

 

認知バイアスの1つに自己関連効果というものがある。

 

自分に関連があると思えるものほど記憶に残りやすい。(自己関連効果という)

 

これは無意味な音節の節約率なので、実際の節約率はもう少し楽観的に見ても問題なさそう。

忘却曲線
図にするとこうなる。
復習
もちろん覚え直していくごとに長期記憶になっていき、節約率もどんどん上がっていく。
つまり、前提として「何度も復習しないと覚えられませんよ」ということだ。

 

復習は学習に有効どころの話ではなく、必須であるという話。

 

それと1時間後には半分以上忘れているので、良いアイデアは思いついた瞬間メモしておいたほうが良さそうだ。

今までの人生で忘れなかったこと

今までの人生で忘れなかった事とはなんだろう?

 

誰よりも上手にできるというわけではないが、これで十分というレベルでしっかり身についているものは誰にでもいくつかあるだろう。

 

それは毎日やっていたこと、もしくは定期的にやっていたことのどちらかではないだろうか?

 

理由は単純で、学んだことを復習をしようとさえ思わないのが当たり前なのに、復習の計画を立てるのも難しいからだ。

 

しかし、毎日覚えなおしていることだけしか覚えていないのは、人として少し寂しいものがある。

忘れかけた頃に覚えなおす

好きな人と話す時、誰もが話に花を咲かせたいと思うだろう。

 

知識にも、そのような広がりをみせていきたい。

 

毎日Aをするのではなく、「A>B>C>D>E>A」このようにしたいわけだ。

 

どうすれば良いのか?

 

察しがいい人は先程の忘却曲線を見た時に思いついたかもしれないが、忘れかけた頃に覚えなおすのが最も効率が良い。

 

それを利用した学習方法を、分散学習という。

分散学習とは

  1. 10時間の学習を1回
  2. 1時間の学習を10回
  3. 10分の学習を60回

1番よりも2番、2番よりも3番のほうが効果が高い。

 

試験とかスポーツや対戦ゲームの大会なども、速く準備を初めて学習時間を分散させたほうが効果が高いことは、誰もが経験的に知っていると思う。

 

これを分散学習という。

 

テストが終わった瞬間に次のテストの準備をする。

 

そういう人がクラスに1人くらいいたと思うが、その人の点数はきっと高かったはずだ。

 

分散学習が有効な理由は主に次の3つ

  1. 短期記憶の容量が少ない(数字でいうと3~4桁まで)
  2. 集中力が続かない(長くて1時間、慣れてないことだと5分)
  3. 忘却曲線(何度も覚えなおす必要がある)

では次は、分散学習の反対である集中学習を見ていこう。

集中学習とは

分散学習がガチ勢だとするならば、集中学習はエンジョイ勢である。

 

学校の勉強みたいに一度集中して覚えたら復習せずに次、という学習方法を集中学習といって、全くやらなくなったゲームやスポーツ、読まなくなった本も集中学習といえる。

 

ただ一度覚え直せば分散学習になるので、反対の概念として形式的に名前が付いているという格好だ。

 

分散学習と集中学習の概念がわかれば、一度少し手をつけて辞めたものを再開すると、妙にハマってしまう現象も理解できるだろう。

 

2回目は以前よりも覚える労力が20%ほど少ないので、楽しく感じやすいからだ。

 

「久しぶりに全力で走ったら、以前よりも20%タイムが縮まっていました」なんてことは起こりえないので、脳と筋肉は随分違うらしい。

復習のタイミングはテクノロジーに頼るといい

自分で復習のタイミングを計画してそのとおりに復習するというのは、受験生でもなければちょっと難易度が高すぎる。

 

なので先程も言ったように、我々が身につけている習慣やスキルというのは、頻繁に行っていることに限られがちになる。

  • 忘れかけた頃に覚えなおすのが最高
  • でも自分でスケジュールを組むのは難しい

しかし世の中は便利なもので、分散学習に基づいたやり方で、忘れかけた頃にちょうど思い出させてくれるアプリケーションがたくさんある。

Anki

自分で問題を登録できるフラッシュカードアプリの中で一番有名なものがAnki。

 

Ankiという名前だけど開発者は日本人ではない。

 

間隔反復システム(SRSと略されることが多い、Spaced Repetition System)といって忘れかけている頃に問題を出してくれるフラッシュカードアプリだ。

 

自分で学習間隔を管理するのはあまりにも難易度が高く、全く現実的ではないので、テクノロジーに頼ったほうがいい。

 

日本だと、たくさんの英単語を覚えようとする英語学習者の間で人気があるツールだ。

 

スマホ版のAnkiは結構高いので、間隔反復システム機能があるアプリならば別にAnkiじゃなくてもかまわない。

まとめ

  1. 物事は何度も復習しないと覚えられない
  2. 復習は忘れかけた頃にするのが効率が良い
  3. 復習スケジュールを立てるのは難しいのでアプリケーションに頼ろう

ふとした時に思い出す出来事が、楽しかった過去か辛い過去だけ、というのも人としてインチキ臭い気がする。

記憶力が貧弱で、逆方向にしか働かないの。
――ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」

こちらのほうが、前向きでいい。

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