
モラル・ライセンシングとは、良いことをすると悪いことをしたくなるという心理学用語です。
努力を継続できる人や常に生産的な人、見渡せばたくさんいるのですが、割合で言えばとても少数でしょう。
モラル・ライセンシングのメカニズム
モラル・ライセンシングとは
ノーベル賞を受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンの提唱する焦点錯覚(フォーカシング・イリュージョン)の1つです。
カーネマンは「人生のどんな要素にも、あなたがそれについて考えている間に感じるほどの重要性はない」と言いました。
注目の対象 自分の素晴らしい行為
どのくらい注目しやすいかは人それぞれ違いますが、自分の行為に注目すれば、それが素晴らしいことだと思います。
人にジュースを奢ったことを一生言い続ける同級生は、自分の行為に注目しているからです。
彼は、あなたがジュースをお返しをするまで言い続けるでしょう。何故ならば自分だけ良い行為をしていると思っているのは、面白くないので。
タイミング 有意義なことをする前
これらは全てモラル・ライセンシングですが、タイミングはどれも同じで、有意義なことをする前です。
特別に意識高い人じゃなければ、どれも一般的なことですし、特に構わないですけどね。
つまりモラル・ライセンシングとは、有意義なことをする前に、自分の立派な行為に注目することによって起こると定義できます。
モラル・ライセンシングの対策
モラル・ライセンシングの対策では、自分の悪い行ないに注目する反対の行為が通用しません。
ですが、問題は注目した対象とタイミングの2つだけです。
それでは、順番に見ていきましょう。
いつ精神勝利するのか?
例えば、土曜日と日曜日が休みだったとしましょう。
その場合は、金曜のやるべきことが終わった直後に精神勝利するのが、もっとも気持ちが良いですよね?
それだけ気分の良い時間が長く続きます。しかしその場合、月曜日まで大したことはできなくなるでしょう。
1日の中で気分が良くなったほうが、お得なタイミングがあります。
それは、布団に入って寝る瞬間です。
悪い行ないは毎日続けると考える
1日だけならなんともない行為でも、毎日続けると考えると非常に重たく感じます。
お酒や喫煙を辞めたい人は、毎日同じ量を摂取すると考えると良いと言われています。
自分は元喫煙者で今でも頻繁に吸いたくなるのですが、そのたびに「1本吸えばまた毎日吸うようになる」と考えて我慢しています。
要点とおさらい
モラル・ライセンシングについて書かれた本
[amazon asin="B00CHWLZ5S" kw="スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ"]
比較的読みやすい。
[amazon asin="4479308008" ]
図解バージョンのほうがオススメです。
[amazon asin="4414304245" kw="PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間"]
難読書。