普段の日常生活で、「これは役に立つから覚えておいたほうがいいな」とか「この本は読んだほうがいいな」とか、感じることはないでしょうか?
しかし大抵の場合、その活動をやり遂げた後の期待感よりも面倒くさい気持ちが勝ってしまう。
期待感と面倒くさいの勝負は接戦ではなく、おそらく面倒くささが圧勝することが多いと思います。
何故か人間は、やったほうが良いと思うことと、実際にやることが違う。
この記事の内容は、苦痛で退屈だと感じるけどやる意味があると思うことに意欲を発揮する方法についてです。
自分自身と結びつける
人間は特定の事柄に関心が惹かれるようになっているのだけど、悲しいことにほとんど次の2つに絞られます。
- 性的なこと
- 自分と関係していること
PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間 99ページと122ページより
Twitterの知り合いをみればすぐにわかるはず。
リプライがついているツイートは、大体どちらかの条件に当てはまっていることでしょう。
僕はこれを知った時すこし悲しくなったのですが、同時にエレン・ベーカー先生が可愛いから英語を学びやすくなった中学生は多いとも考えたので、ちょっと悔しいですが納得してしまいました。
しかし中学生の英語の教科書のように、有意義なんだけど面倒くさいことと1番を結び付けるのは難しい。
というわけで、私達が実践しやすいのは2番と結びつける方法です。
課せられた知識の習得に意味を持たせる
学びたい対象を自分と関連性の深いものにするメリットはたくさんありますが、一番大きなメリットを紹介しましょう。
まず意味を見いだすことができるので、それによってやらされているという感覚がなくなります。
逆に、習得したいスキルではなく習得しなくちゃいけないスキルだと思うと、世の中に腹が立って仕方がないでしょう。(僕は子供の頃こういったところが多かった、つまり動機づけが苦手だった)
そうなると学習も人生もただの辛い作業になるので、モチベーションが沸いてきません。
その状態で、スキルを習得したり人並みにうまくこなしていくことができるのは、漫画のキャラだけです。
習得したいことに意味を持たせる具体的な手順
自分に次の問いかけをする
- この学ぶ対象は私にとってどんな価値があるだろうか?
- どうすればもっと自分に関連性があるようにできるだろうか?
- この知識を自分の生活にどう利用できるだろうか?
なぜこの手順が重要なのかというと、人それぞれ違うからです。
人によって趣味、性別、身長、関心事、性格、好きなこと、得意なことが全て違います。
なので習得したいスキルや、趣味や物事との繋がり方も人の数だけあるということです。
有効な質問の数も3つではなく、無限にあると思います。
あなたも自分にとって有効な質問を考えてみてください。
自分の場合
僕は今でも対戦ゲームがかなり上手なんですが、初めて学習するための学習方法が乗っている認知心理学のサイエンス書を読んだ時に、書かれている内容が余りにも自分の経験と似ていたことを覚えています。
ゲームの上達というのは、新しいスキルを習得するのと同じであり、つまりそのサイエンス書は自分のために書かれているものであると感じたのです。
ゲームに熱中した経験というのは、誰にでも多少の後ろめたさがあると思います。
「自分はとんでもない生き方をしてしまったのではないか?」と。
ですが、大半の人が難しすぎて尻込みしてしまう本をスラスラと理解できるという現象によって、自分が肯定されていると思えたんですね。
ようは、認知心理学に深い繋がりを感じたというわけです。
>>>僕が感動した本の書評
PEAK 超一流になるのは才能か努力か? by アンダース・エリクソン ロバート・プール [書評]
終わりに
書いたことをまとめると、次のようになります。
- 人は自分と関係していることに関心を持つ
- 自分自身と習得したいスキルに深い関連性を持たせる
- 自分に質問してスキルと自分との関連性を発見する
倫理的に正しいことと好き嫌いは違うということなのでしょう。
食べ物の好き嫌いは克服するのが大変らしいですが、それに比べると面倒くさいと思う事柄を好きに変えるのは比較的かんたんなように思えます。
IQ(知能指数)よりも動機づけ(モチベーション)が上手であるかどうかのほうが、人生を元気に暮らす指標としてずっと有効であるとかよく言われますが、記事を書いていてそのとおりであると実感しました。
嫌いな食べ物を食べ続ける人生は、辛いですからね。
知識の習得は、動機づけ始まるという記事でした。
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モチベーション・マネジメントというオンライン大学講座を受けた時に、自分なりに内容をまとめたものです。
自分への質問にはコツがあり、大半の人が間違ったやり方をしています。
鼓舞するより、伺ったほうがやる気が出るという話。
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