
早咲きの人生と遅咲きの人生ならば、確実に遅咲きのほうが幸福だと言えます。
何故なら
よほど生まれつき身体が弱い人でない限り、後者のほうが良い人生であるように感じるのではないでしょうか?
良い人生とはなにか? この問いは、テーマが大きいですね。漠然としています。
なので簡単に考えられそうな、悪い人生とは? こちら、つまり早咲きの人生から説明させていただきます。
早咲きの人生を考えてみよう

- 十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人
- 神童も大人になればただの人
世の中には、このようなことわざがありますね。
ずっと神がかっている人物の人生を、早咲きと呼ぶのも変なので、二十歳すぎて一般人になるとします。
図の数値は少し極端ですが、このように段々悪くなっていく人生を歩んでいくことでしょう。あるいは、50にグッと下がった状態を維持し続けることになります。
段々悪くなっていく状態は、人間にとって信じられないほどのストレスがあり、まず耐えられません。
なぜ耐えられないのか? 漫画や小説に当てはめて考えれば、誰でも簡単に理解できます。
面白い漫画や小説の条件は、上げて上げること
物語は下げてから上げる、これは完全に素人の考え方らしいです。読者が上がることが予想できない限り、下げてはいけないそうです。
考えて見れば確かに、私達はそういった作品を好みません。憂鬱な展開になった時点で、見るのを辞める場合が多いです。
水戸黄門や暴れん坊将軍のように、悪が裁かれると予想できないからです(時代劇やヒーロー者は裁かれる時間まで決まっている)。
早咲きの物語は次のようになります
一般的な読者だったら、1~2に差し掛かった辺りで読むのを辞めてしまうのではないでしょうか? 期待しながら最後まで読み進める人は少なそうです。
もっと言えば、最後まで読み進めた場合、「読んだ時間を返してほしい」となる可能性が高いです。
後味は悪くありませんが、駄作と呼ばれる作品になります。
遅咲きの人生を考えてみよう

全体の幸福量は先程と同じですが、今度は段々と上がっていきます。
さっきは不幸に見えたグラフも、今回は幸福に見えますね。最高の人生と言っても、言い過ぎではないでしょう。
物語で言えば、完全に成り上がりものです。
実際に上がり続ける人生はないはずですが、なにかにつまづいて過去を振り返った時、「あの頃より良くなっている」と思えるはずでしょう。
※ 過去は20なので、40の時につまづいても損失感が薄い。過去が100だと振り返るたびに辛い。
私たちは現在を過去と比べて順調かどうか判断している
どうやら、我々はこのような単純な指標で、幸・不幸を測っているらしい。
良い人生とは? と聞かれれば普通は言葉に詰まってしまうけれど、「常に良くなり続ける人生のこと」と、今なら簡単に答えることができます。
ならば早咲きとは、ただの悲観的な考えだと言えそうです。まさか本気で子どもの頃の自分は神童で、今は凡人だと考えている人はいないでしょう? 一発屋的な優れた作品を出したとかならわかりますが、子どもの時より頭が悪くなっている人は珍しいですからね。
自分を早咲きだと思う人は、能力を固定的なものだと考えている
人間の能力が生まれつき固定的だと思えば、努力をしなくなるそうです。
努力をしても伸びないなと考えていれば、努力をするモチベーションが沸かないのは当然なので、よく考えると当たり前ですね。
何も努力しなければ、人生は現状維持どころか、どんどん悪くなっていくでしょう。
早咲きの人生のグラフと一致するところとなります。逆に何の努力もせずにどんどん良くなっていく人生は考えにくい。
どうやら早咲きという言葉は、自分や親しい相手に使う言葉ではなさそうです。
自分を遅咲きだと思う人は、能力は努力次第だと考えている
遅咲きと、どんどん良くなっていく人生、ほとんど同じ意味でしょう。
毎日寝ているだけで、人生どんどん良くなっていくと思う人はいません。いたとしたら非常に歪んだ楽観主義者と言えます。
努力すればなんでも叶うというわけではないですが、誰でもアリとキリギリスの話くらい知っています。
なので
- 努力をしている人=能力は努力次第と考えている人
コレは間違いないでしょう。
この考えは希望に満ちあふれているだけでなく、そうでない場合に比べて努力しやすくなるので、単純に合理的です。
未来の不幸に対処する生き方
最も恐ろしいのは、「自分の人生は段々悪くなっていく」と、考えている場合です。つまり、自分の人生は早咲きだと信じている状態は恐ろしいのです。
しかし、そんな信念を持っている人でも問題ない考え方があります。
物語のテンプレートの一つに、悪役令嬢転生モノというジャンルがあります。
その後、不幸を回避するために努力するという流れです。努力の結果、結局王道の上げて上がる物語になります。
モチベーションの用語だと回避フォーカスといって、悪い出来事を避けるための努力こそやる気が出るタイプのことを言います。
逆を獲得フォーカスと言います。悪役令嬢モノですと、王子様と結婚したがる人物とかですね。
- 王子様と結婚したがる=獲得フォーカス
- 処刑されるのを避ける=回避フォーカス
一般的に、やる気・熱意といった言葉は獲得フォーカスが連想されますが、人間の半数は回避フォーカス型です。
予想される不幸や困難に対処していくことに幸せを感じるならば、人生が悪くなっていくと信じていても問題ではないでしょう。
書いたことのまとめ
長々と、段々良くなっていく人生が良いと書きました。
良くなっていくには、計画・努力・誘惑を避ける・我慢するなどが必要です。
ならば人生の問題は、やるべきこととモチベーションの差が激しい、コレに尽きるのではないでしょうか?
- 面倒臭いことをしないと不幸になる
- 不幸を回避するために面倒くさいことをする
このような考え方ならば、燃え上がるモチベーションが無くとも実行できそうです。
普段の私たちはモチベーションと無縁なので、それらがなくとも実行できるやり方を覚える必要がありますね。