上達に関すること

練習には大きく分けて3つのレベルがあり、プレイヤーのレベルは練習方法で決まる。

何かを効率的にできるようにするために、繰り返し習うことを練習と呼びます。

よほど硬派な人以外は次のように考えるでしょう。

「どうせ練習するならば、効率的に練習をしたい」

残念ながら、世の中には楽な練習方法は存在しないようですが、最も効率的と呼ばれている練習方法が存在します(ベストプラクティスとは意味が全く違う)。

この記事では主に次の練習のレベルを3つに分けて説明していくことにします。

練習のレベルを3つに分けた場合

プレイヤーのレベルを分けるのは、練習のレベルです。

誰にも習ってないし全然練習もしてないけどプロ並、という人は世の中には歴史上1人も存在しません。

大きく分けると次の3つになります。

  • 一般人レベルの練習
  • セミプロレベルの練習
  • プロレベルの練習

それでは順番に見ていきましょう。

一般人レベルの練習

全く何も知らない知識ゼロの素人より、明らかに上手。

この状態を一般人レベルと呼ぶことにしましょう。

20~100時間くらいあれば充分と言われています。

スキル獲得の三段階モデルを紹介しましょう。

スキル獲得の3段階モデル
  • 認知(初期)段階 やり方について考えている段階
  • 連合(中期)段階 実際に練習している段階
  • 自律(後期)段階 特に意識せずできる段階

効率の良い学び方はありますが、とりあえず一定時間続けるだけで、誰でも自律段階に入ることができます。

ちなみに、初期の段階は楽しさが一番大事で「最初から厳しくすると取り返しがつかない」と言われていますので、何事も気楽に始めるのが良いでしょう。

TEDで12番目くらいに人気の動画、ジョシュカウフマンの「大抵のことは20時間で習得できる」という本は、20時間でこの状態に到達することを目的としています。

FF14やモンハンのようなオンラインゲームで言うと、「この人、頼りになるなあ」と思われるのが一般人レベルです。

セミプロレベルの練習

プロではないけれど一般人と呼ぶには上手すぎるし、自分にはとても追いつけそうにない。

誰でも知り合いにそういった人はいるし、今この記事を読んでいるあなたもそういった特技を身に着けているかもしれません。

セミプロレベルになるには、漠然と心地よく楽しいだけの練習をしていても時間の無駄で、練習方法が大事になってきます。

目的ある練習と呼ばれるものを紹介しましょう。

目的ある練習
  • 1 練習ごとの具体的な目標
  • 2 集中
  • 3 フィードバック
  • 4 コンフォートゾーンチャレンジ

1と2はイメージしやすいでしょう。

集中というのは難しく、トッププロでも3~5時間しか持続しませんがが、誰でも知っている状態ですね。

3のフィードバックというのは、自分がうまくいっている反応のことです。

正解を当てたのに恐ろしい音が鳴り響くゲームやクイズ番組はありません。

4のコンフォートゾーンチャレンジというのは、安心できる領域を抜け出すということです。

好きな人に話しかけようとする時に生じる抵抗、あの感覚。

ああいった抵抗を乗り越えていかなくては、人は上達しないのです。

目的ある練習は、実際にかなりの効果がありますが、限界があります(何かのトッププロじゃなければ全く困らないとは思う)。

プロレベル

現状では、限界的練習(Deliberate Practice) と呼ばれる練習方法が最も効果的であるとされていて、一流のプロスポーツ選手や音楽家の練習方法です。

限界的練習とは、さきほど紹介した目的ある練習1~4に、次の要素を加えたものです。

限界的練習
  • 1 エキスパートが監督する
  • 2 心的イメージ (Mental Represention)
  • 3 技能を積み上げていく

1のエキスパートが監督するというのは、最初からプロのコーチに指導してもらうというものです。

なので限界的練習は、できる分野が限られています。

漫画家や小説家ではできませんし、このようなブログでもできません(どんなお金持ちでも、村上春樹に小説を習うことはできないと思う)。

何百年も歴史があって、ノウハウが蓄積されており、能力の高いコーチがいなければならないからです。

2の心的イメージというのは、わかりやすく言うと「服を買いに行く服がない」という状態に近いですね。

プールで飛び込みを決めるには、飛び込みの心的イメージが必要、ですが飛び込みを成功させない限り、飛び込みの心的イメージを得ることはできません。

スキル習得にはこのように矛盾がありますが、一流のコーチがいれば大丈夫。

3の技能を積み上げていくというのは、「上達してから基本をやり直すことがないようにする」ということです。

現代だとAnkiなどのようなフラッシュカードアプリの力もあって、忘れないようにすること自体は難しくありません。

しかし、歴史が長いものじゃないと、「揺るぎない絶対の基本」という物を定義するのが難しい。

ルール自体が変わるものも、世の中には多いですからね。

終わりに

何かを練習するに当たってまず重要なのは、自分がどのレベルのパフォーマンスを目指すのか?ということでしょう。

恐らく一般人レベルならばどのような練習方法でも、練習さえすれば到達できます。

セミプロレベル以上では、練習方法そのものが大事になっていきます。

大半の分野には指導者がいません。

なのでエキスパートを見つけ、そのエキスパートの真似をするのが良いそうです。

参考書籍

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万人向けでわかりやすく、トレーニング全般の入門書として使えると思います。

オンラインの対戦ゲーム、恋愛、部屋の掃除、スポーツ、そういったことを学ぶ前に、この本を最初に読んでおくことをオススメします。

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トレーニングの専門家アンダース・エリクソンが書いた本で、ほとんどのプロスポーツ選手やコーチが読んでいる本です。

何か特技があって、もう少し上手になってやろうと思う人は是非、手にとってみてください。

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