
人間ならば誰でも、「もっと自分に理解力があればいいな」と考えるものです。
ですが理解力がないという人が当たり前なんです。
それでも、毎日やっていることや何年も考えていることは、ある程度理解しています。
人間は、時間さえ与えられれば理解できるのですが、新しいことや言われたことは、すぐに理解できないのです。
理解力がある人というのは、新しいことをすぐに理解する人、世間一般でいうと天才という言葉が当てはまりますね。
科学的に天才というのは存在しないので、今回の記事では「あたかも理解力があるように振るまえる」方法について述べていきます。
結論を一言でいうと、理解力とは役に立ちそうなことをあらかじめ調べておく習慣のことです。
理解力がない4つの原因
- その物事について全然知らない
- 苦手意識がある
- IQが特別に高くない
- 運動不足
順番に説明していきます。
1. あらかじめ知識があるかどうか

これを学習の世界では事前情報と言います。
何かの本を読む時に、知らない単語が多い本は読めませんよね?
何かのスポーツを習う時も、なんとなくルールを知っている人のほうが、全くルールを知らない人よりも上達が速いです。
接客業のアルバイトをしたことがある人は、どんな接客業をしても他の人より覚えがいいでしょう。
知識や慣れや馴染み、あればあるほどいいですが、検索して単語の意味を知っておくだけで理解のスピードは全然違います。
2. 苦手意識があることを考えるのは疲れる

明日が遠足の時は眠れないくせに、明日が月曜日の場合は腹立たしいほど寝付きがいい。
こういった経験、学生時代なら誰でも覚えがあるでしょう。
面白くないことを考えると、脳が活発に働きません。
単純に、好きじゃないことに理解力を発揮するのは難しい、というだけの話です。
「自分はこの作業がとても嫌いで考えるのも嫌なんだけど、誰よりも上手にできる」という人は現実には存在しません。
3. IQが特別に高くない

IQが高いと、未知の物事は理解しやすいです。
例えば新しいゲームとか、IQテストとかですね。
事前情報というものがない分野ですね。
まともなIQテストは、「数学の公式を知っているほど有利」みたいな作られ方はしません。
しかしIQの差というのは、理解力においてはかなり小さいです。
頭の良い人が手探りでやるより、 専門的なコーチに教わるほうが何10倍も効率が良い。
4. 普段全く運動をしていない

脳を鍛えるには運動をするのがいいという事実は、賢いあなたは知っているでしょう。
意欲も上がるし、記憶力も上がります。
気になるのは、どれくらいで効果が出るのか?という部分ですね。
じつのところ、効果はわりと早い段階で実感できる。
実験では、持久力系のトレーニングを定期的に3ヶ月続けた場合、単語を暗記する能力がかなり上がるという結果が出た。
6週間後に行われた記憶力のテストでは、フィットネスバイクのグループの成績は、何もしなかったグループをさらに大きく引き離していた。
アンダース・ハンセン 一流の頭脳 182と183Pより引用
単語の暗記というのは、まさに事前情報そのものです。
普段全く運動をしていない人は逆にチャンスで、理解力を大きく上げられる方法となります。
まず、やり方だけ覚える

物事というのは、細かい意味の集合体です。
なので、しっかり意味を理解して、関連性を強めるというのは難しい。
将棋やチェスに例えるならば、駒の動かし方だけ覚えたら十分とするのです。
プロの将棋指しとまともに試合をするのは、非常に難易度が高いですよね?
将棋好きにとって、そのレベルを目指すのは何も問題がないのですが、そうでない人には犠牲が大きすぎます。
- 駒の動かし方を覚えるのが速い=理解力がある
- プロの将棋指しと互角に打てるようになるまで速い=熱意がある
人が人に求めるのは1であって、2ではありません。
あなたが将来オリンピック選手を目指している場合以外は、誰も2のレベルなんて求めていないのです。
「だって、1つの事にそんなにエネルギーも時間も使ったら、他のことを覚えられないでしょう?」と、周りの人は思うからです。
終わりに
書いたことをまとめると、人間は特別にIQが高くなく、新しいことに対する意欲もありません。
ですので、あらかじめ役に立ちそうな知識を仕入れて準備しておくという方法が有効です。
そうすれば、周りの人間もあなたも自分自身が理解力があるように感じますし、実際に理解力があるのです。
役に立たないようなことや自分の目標とは直接関係ないことから学び始める人が多いが、そうした勉強は役に立たず、まずいやり方である。
そうした勉強を見事やり通したところで、いったい何の役に立つのか。
ジョン・トッド 自分を鍛える!: 「知的トレーニング」生活の方法 132Pより引用
驚異に備えるというよりも、「これを覚えていたら役に立ちそうだな」くらいの気持ちがちょうど良いでしょう。
夏に向けて体を鍛えるように、当面の目標と直接関係があることにエネルギーを絞り込んでいきましょう。