マネーリテラシーの本ですね。
リテラシーというのは読解記述力とか、読み書き能力とか、理解力みたいな意味あいです。
お金に関する様々なことが書かれていますが、基本的にはなぜ使いすぎるのか?とか、リボ払いはヤバイですよみたいな、お金を守る内容について書かれています。
著者の木暮太一さんは経済ジャーナリストだからなのか、あんまり物を欲しがらない人らしく、この本全体を通して幸福心理学に似た内容が書かれているなーと感じました。
基本的に全編通してカイジの漫画シーンと連動して、お金の話が展開されていきますので、分かりやすくて、なおかつ読みやすいという素晴らしい出来になっています。
それにしても知識を付けて自分のお金を守るという内容は、なんだか幸福心理学の本と共通している部分が多いですね。
この本を読めば、日々の生活の満足度がアップすることは間違いないでしょう。
宝くじの当選者が不幸になる仕組み
誰にも当てはまる限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則
まず”限界効用”とは”そのとき、そのときに感じる満足感”のことです。そして”逓減”とは”だんだん減っていく”という意味です。つまり、満足感はだんだん減っていくということです。
ゲームのレアアイテムと同じ、物を買ったり食べたりすれば次に同じ満足感を得るためにはもっとお金が必要。
満足感を得るためには、前よりも良いものを手に入れる必要があり、浪費を続けていくことになります。
さらに金額が増えれば増えるほど1円が軽くなっていくので、贅沢がどんどん加速していくことになります。
お金を使うというのは誰にでも簡単にできることなので、贅沢を続けていればすぐになくなりますよね?
ならば別に短い夢を見た分、当選者は幸せだったのではないか?と考えますがそうではありません。
続けましょう、ここからがいい話です。
生活水準を下げるのは耐えられない!
自分にとっての「当たり前の基準」を、「参照基準点」と経済学では言うらしいです。
毎日高級ステーキを食べていれば、卵かけごはんには耐えられない。
GWずっと遊んでいたならばGW明けは辛い。(最近の僕のことです)
美人と付き合った経験があるのであれば、その後の人生は色あせてしまう。
長年午前2時に寝ていれば、午後10時には寝れない。
ゲームで完璧な装備を整えてしまうと、弱い装備には耐えられない。
いい車に乗った経験があるならば、安い車に乗るのは苦痛。
300円のカフェオレを飲めば、100円のカフェオレは飲まない。
という感じで、贅沢をしていると水準を落とすのは結構な苦痛ですよね?
特に食事に関しては、水準を下げるという行為がかなりきつい気がします。
他のことってのは正直、ものの見方、個人の視点によって価値が変わるものなんでいいんですが、栄養価が高い美味しい食べ物って高いですからねほんと。
宝くじに当選したことがないのでよくわからないのですが、MMOでは一度だけ贅沢をしたことがあるので、基準を下げるのが苦痛で耐えられないという気持ちはよくわかります。
人間が無駄使いを辞められない理由はここにある、と書かれています。
ここからこの本では、クレジットカードが借金の入り口になると展開されていくわけですが……
そこは紹介しませんので、興味のある方は本を読んで見てください。
贅沢したいという欲望の個人的な対処法など
僕は車の運転が本当に嫌いなんで、車に乗ること自体がかなり苦痛です。
なので別に種類どうこうというのは、多分一生気にしないでしょう。
最後の300円のカフェオレも、昔の僕の話ですね。
正直、市販のカフェオレなんて値段によって味なんて大して変わりないんですよ。
300円のカフェオレよりも、グリコの太いほうのカフェオーレのほうが美味しいまである。(細いほうが美味しい)
でも最近は水ばかり飲んでいます。
そちらのほうが体に良いですし、なんかかっこよくないですか?
炭酸水はあんまり好きじゃないので、飲み物を買うときは流石においしい水ではなく、野菜ジュースを買うことにしています。
野菜に比べて野菜ジュースは栄養ないらしいですが、まあカフェオレよりは体に良いことは間違いないでしょう。
カフェオレは別に体に良くないですからね!!
と、こんな感じの考え方をすれば300円のカフェオレなんて別に飲みたくなくなるでしょう。
なぜあんなに高いカフェオレやココアばかり買っていたのか、今では不思議に思います。
今は贅沢をして参照基準点を上げちゃうと、全体的に満足度が下がり幸福度が減るというのを知っているので、贅沢をすること自体に抵抗があるという考え方になったのかな?
あとはこの本にはジャンルが違うので書いてはいませんが、なにかを達成したり物を手に入れた幸せというのは、長続きしないですからね。
それにしてもこの本、Amazonレビューで評価が高いですね。
難しい内容を親しみやすく書いてあるこの本は、全ての学校の図書館に置いておくべき本な気がしました。
書いてある内容も単純に深く、普通に傑作でしょう。