
トレーニングの第一人者アンダース・エリクソン博士によると、生まれながらの天才は一人もいないようです。
また、各分野のトッププレイヤーに共通してみられる遺伝子もなかったそうです。
にも関わらず、生まれながらの才能がモノを言うと思われがちなのは、生まれつきの天才に見える人がいるからです。
この記事では、それらの天才と呼ばれる人の特徴について紹介します。
1. 評価される領域で活動する

クッキーを空中に放り投げて口でキャッチする、といったような行為がいくらうまくても、残念ながら天才と評価されることはないでしょう。
RPGでステータスをカンストさせたことを姉に報告して「それで?」と、そっけなく対応をされた少年時代を思い出します。
いっぽう面白い漫画や小説、素晴らしい音楽を創作できる能力は非常に高く評価されます。
なので天才の特徴の1つとして、興味を持つ人が多数いる分野、あるいは実践的で役に立つ分野で活動していることが挙げられます。
2. 最も効果の高い練習をしている

生まれながら特別な才能を持った人はいないのであれば、効率の良い練習をしている人=天才ということになります。
次のリストは、超一流になるのは才能か努力か?という本に載っている、現状最も効果が高いとされる練習方法をまとめたものです。
- 練習ごとの具体的な目標
- 集中力
- フィードバック
- コンフォートゾーンチャレンジ
- エキスパートが監督する
- 心的イメージ (Mental Represention)
- 技能を積み上げていく
1は説明不要ですね。目標はあったほうがいいです。
2は70%の集中力で長時間する練習より、100%の時間で短時間する練習のほうが良いというです。
3はフィードバックがないとダメという意味。一ヶ月前の記録と比べて、どれくらい速くなったとかです。
4は自分の能力限界ギリギリの負荷をかけるという意味です。辛すぎると練習が続けられないので、加減が難しいです。
5は歴史あるスポーツや音楽の世界ですね。それ以外の分野で一流のコーチを雇うというのは難しいので、その分野の突出した人を真似るという方法になります。
6は難しい概念なのですが、一言でいうと、階段を1段づつ作りながらその階段を登るということです。
未知のものを一度やると、1つやり方を覚えます。その新しく覚えたやり方を使って、また未知のものをやるというイメージです。
7は基本をやり直すことがないようにするという意味。
3. 長期間に渡って努力をする

評価される領域も練習方法も、大きく間違っていないとわかれば、次は練習時間です。
天才の練習時間は抜きん出ている、という研究結果があります(特に一人での練習時間が多い)。
1日1時間の練習で活躍しているプロスポーツ選手は存在しません。他の選手が1時間以上練習するからです。
なので「使える時間は全て使う」ということになるでしょうか。
70%の集中力で長時間する練習より、100%の時間で短時間でする練習のほうが良い。ということなので、少なくとも100%集中できる時間は、全て努力する対象に注ぎ込むことになります。
そこまでハードな練習を続けるのは「これが私の人生である」と言い切れるほどの情熱がないと、とても無理です(引退した選手は現役時代と同じ練習はしません)。
ちなみに小説家でもプロスポーツ選手でも、本当に集中できるのは1日3~5時間と言われています(残りの時間は心身のメンテナンスや軽い練習をしている)。
時間を有効に使い続けるには情熱が必要

書いたことをまとめると、天才の特徴とは次の3つになります。
このような特徴のもととなっているのは、特定の領域に対する情熱でしょう。
私達が何かの天才と呼ばれるようになるには、その何かに対する情熱が最も大事ということになります。
情熱を育てる方法として最も効果があると思われる、ジョブ・クラフティングや3つの感謝(3 Gratitude's)という手法を紹介しましょう。
- 毎日決まった時間に仕事の意味を3つ書く
- 毎日決まった時間に1日のうちで良かったと思うことを3つ書く
たったこれだけで、仕事にやりがいを見出すことができるし、楽観的になれます。
なので、毎日長時間練習したいようなことが出来た場合は
- 毎日決まった時間に練習する意味を3つ書く
これを毎日バカみたいに繰り返すのです。
情熱さえあれば、私達も時間を有効に使えるようになるはずです。
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