エッセイ

テトリス効果と、いつもネガティブな沢田さんの話

tetris

皆さんの周りに、いつも愚痴ばかり言っている人っていないだろうか?

僕の友人の1人、沢田さんは昔からそのような人だった。

でもネガティブな人ってありふれているし、そんなに特別ってわけではない。

 

人間特に何もしなければ、ネガティブな方向に引っ張られるようになっている。

知らないキノコを見て「美味しそう!」と反応する人は、「毒があるかも?」と考える人に比べて、あまり生き残らなかったからだ。

なので大半の人は、そういったネガティブな特性を持ち合わせていることが多い。

逆にマリオみたいなヤツは滅多にいないってわけ。

 

幸福とかポジティブ感情というのは前述したとおり、遺伝の影響が大きく50%もある。

環境が10%で、行動習慣が40%。

 

そしてハピネス・アドバンテージといって、ポジティブな状態のほうが脳は良く働く。

だからネガティブな状態になりやすいといっても、あんまりそれが酷ければ克服する必要がある。

 

この40%が沢田さんは昔からとても低くって、どうして低くなってしまったのか?

という話からしていくことにしよう。

 

テトリス効果と格闘ゲーム

 

テトリス効果というのは、毎日何時間もテトリスをやると道行く景色にブロックを当てはめたくなるという現象のことだ。

グランド・セフト・オートのやり過ぎで何故か車を盗んでしまった人も同じ。

簡単に言うと「Aを長時間すると、A以外の時間もAの思考パターンをしてしまう」っていうのがテトリス効果。

 

僕と沢田さんは以前、非想天則という同じ格闘ゲームをしていた。

格闘ゲームというのは基本的にミスをしないと勝てるのである。

ダメージを多く与えるというのは大事なんだけど、それ以上にダメージを受けないことが大事。

だからやり込んでくると、悪手を打たないという考え方になってくる。

 

そのゲームを長時間すればするほど、慎重というか消極的というか、石橋を叩いて渡らない性格を身に染み付いてくるんだ。

ここを克服できたらプレイヤーとしてのレベルも違うんだろうけど、難しいよね。

 

そういえば何故か沢田さんはレートを気にしていた

 

非公式なツールなんだけど、一応そのゲームにもレートというのは存在していた。

ただ、格闘ゲーム上手な人ならば、使い始めのキャラクターでも最高レートに近いレートにすぐなってしまうので、極端に低くない限りはバカにされるとかなかった。

 

具体的に言うと、結構ゲームやってるのに2000以下はちょっと……という評価で、2200以上はかなり強い。

大体最高レートが2500くらいなんだけど、1つのキャラクターをずっと熱心にやり込んでいる人の強さは体感5000はあったね。

だから上級者同士でレートどうこう言う人って、僕の記憶ではいなかったかな。

 

人間は幸福な状態であればあるほど、周りの人との比較に関心がなくなると言われている。

ただこれに関しては、沢田さんの使っているキャラクターがチルノという最弱クラスのキャラクターだった。

という理由のほうが強いかもしれない。

 

沢田さんがLOLを始めたのはマズかったと思う

 

リーグ・オブ・レジェンド(LOL)という、世界で一番人口が多いゲームがあるんだ。

 

結論を言うと、普通のゲーム詳しくない一般人がそのゲームをやり込んでしまうと、精神疾患になる可能性が高い。

MMOをやりすぎて人生を棒に振るとか、人狼ゲームをやりすぎて大学を留年するとかいう話ではない。

(この2つは熱中しすぎて他のことが手につかなくなるというヤツ)

 

LOLは5対5のゲームなんだけど、多人数でプレイするゲームというのは基本的に味方のミスが目立つ。

先程のテトリス効果と同じで、大半のプレイヤーはゲーム中のネガティブな情報ばかりに注目してしまう行動パターンが身につくわけだ。

 

しかも女性プレイヤーなんてほとんどいないし、いてもわからないからゲームの雰囲気は以下の通りになる。

 

男10人、20分以上の対戦ゲーム、何も起こらないはずがなく……

 

繊細な人にとっては地獄のような環境となっております。

 

典型的なLOLプレイヤー

 

ゲーム内でもTwitterでも延々味方の文句を言っている。

味方の文句にとどまらず、常に何かしら不満や愚痴を垂れ流している。

LOLで目にするプレイヤーの大半がゴミのような人間だから、ウンザリしているのだろう。

 

しかし彼らはミッドを青バフに呼んで、さんざんスキルを使わせたあと、スマイトでトドメを刺すことに喜びを感じる人種ではない。

 

優しいからこそ傷付いているんだという話なんだけど、人間ネガティブな人からは距離をおきたいと思うのが普通なわけで、彼らに手を差し伸べるような人は中々いないのである。

不満を垂れ流す優しい人よりも、イタズラ好きな妖精のほうが付き合いやすいからな……

 

以前は元気だったんだけど、しばらくするとすっかり自尊心をなくしてしまうプレイヤーが余りに多いので、僕はLOLのフレンド申請は99%拒否するようになった。

 

すっかり心が傷ついたプレイヤーはどうすれば良いのか?

 

沿岸の海賊行為っていうMTGのカードのフレーバーテキストに次のような1文がある。

「自分が堕落した海賊であることの一番いやな点は、堕落した海賊どもといっしょに働かなきゃならんことだ」

 

このような状態というのはとても辛い。

自分の周りに酷い人間しかいないのであれば、必然的に孤独を感じてしまう。

 

このような状態の時にはどうすれば良いかというと、ポジティビティ比をあげる練習をすることだ。

うまくいってない時にやる気を出すというのは大変難しいんだけど、簡単なのでやる気なくても大丈夫。

 

マイナスのテトリス効果をプラスに転じさせる

 

ゲームでもスポーツでもなんでも「これだけすれば勝てる!!」っていう方法はない。

物を売る時とか、本とかブログ記事の見出しとか、シルバーからゴールドに上がるとかなら良いと思うんだけどね。(簡便性というヤツ)

 

ただ沢田さんの場合、少なくとも原因の1つはハッキリしている。

ネガティブな物の見方をしてしまう癖がついてしまっているってことだ。

 

これを反転させれば良い。

 

普段考えていることと逆のことをするだけだから、むしろ他の人より簡単にできるかもしれない。

人間一番苦手なことが一番得意になるパターンは多いと、茂木健一郎もよく言ってる。

 

具体的な練習方法

 

毎日決まった時間に、3つ良いことを書くといい。

 

僕は人との会話の出だしに「最近何かいいことあった?」というんだけど、大抵「特に何も」とかえってくる。

おかしい、今週も鬼滅の刃は面白かったし、今朝飲んだマイルドカフェオーレは美味しかったはずでは?

 

このエクササイズをやってみるとわかるんだけど、最初は結構時間がかかる。

といっても、5分かからないけどね。

 

最初はちょっと時間がかかるんだ、慣れてくるとパパっと思いつくようになる。

ポジティブな情報を拾い上げる能力が身についてきたってわけだ。

達人のレベルかどれくらいか僕もわからないが、続けていれば誰でもすぐ上達するはず。

 

他には、20分くらいかけてポジティブな経験について書く方法もある。

それはちょっと面倒くさいか。

 

終わりに

 

世の中実際にしてしまうと不幸になる、というものがある。

 

ひとつ例をあげると、マラソンの練習は余りにも過酷なので計画を立てるだけなら良いんですが、いざ実際にしてしまうと幸福度が激しく下がると言われています。

単純に運動強度が高すぎるので、よっぽど生まれつき体が丈夫じゃないと耐えられないのでしょう。(マラソンは42キロ以上走る競技、って初めて聞いた時は冗談だと思わなかった?)

僕はマラソン大会好きだったけど、9割以上の人は憂鬱だったはず、間違いない。

 

LOLの練習も同じなんだろうなというのが、数年プレイしてきた感想。

ちょっと消耗が激しすぎる。

 

ゲームはやり込まずに、浅瀬でチャプチャプするくらいがちょうどよい楽しみ方なのかなーと、最近は周りの人達を見ていて感じます。

そりゃキレて味方に文句言っている男性を眺めながらLOLするよりは、異性と会話しながら他のゲームしてたほうが楽しいのは当然なわけで。

やはり人間辛いことは無理にしないほうが良いのでしょう。

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