エッセイ

「友達の作り方」共通の趣味を作れば良いと考える人は孤独である

kansin

先日、知り合いの女子大生が、脱ネットをするために友人が欲しいと言っていた。

女子大生「友達作るには何するかって、流行りの曲からでしょまず」

彼女の人間関係への、あまりの心的イメージ(熟練度みたいなもの)の低さに、僕は悲しくなってしまった。

 

確かに共通の趣味があったほうが人間仲良くなりやすい、仲良くなるきっかけとして優れているし、単純に話していて楽しいだろう。

しかし仲良くなるきっかけとして趣味を作っても、当人にとってその趣味は楽しくないし浅い。

共通の趣味を作って仲良くなるという方法は、その趣味が好きで熱中できなければうまくいかない。

 

大半の人間が小中学生くらいで学ぶことを、育ちが良く賢いはずの彼女は知らなかった。(高校生以上で友人を作るためにそんなことする人間は中々いない)

今までずっと孤独な人生を歩んできたのだろう。

 

孤独はかなり身体に悪く、人生を幸せにするのは人間関係が最も影響が大きい、そういうエビデンス(科学的根拠)がある。

良い人生は良い人間関係で築かれる。

ロバート・ウォールディンガーの言葉だ。

 

相手の話を聴くのが最も大事

 

よく人間関係において言われるのが、第一印象に影響されやすいとか、魚心あれば水心とかだ。

そういったことは実験結果によると正しいらしいのだが、そんな小手先のテクニックが有効なのはセールスマンとか芸能人だけだろう。

友人関係というのはそうじゃない。

テクニックを使うと自分が疲れる、そういう関係を友人関係と普通は呼ばない。

 

ところで人間は、自分の関心事を人にも聞いて欲しいというのが、かなり強くある。

大抵の人間は異常なくらい強い。

さっき言った共通の趣味があれば話が盛り上がる理由はソレ。

ただ人には個性があるので、何にでも興味がある人もいれば、自分の半径1Mにしか興味がない人もいる。

前者ならば自分が話したいことを、一方的に延々話しても熱心に聞いてくれるだろう。

でも後者は難しい。

共通の趣味がない人としか話が盛り上がれないって人はだいたい後者のタイプ。

 

関心があるフリは容易に見抜かれる

 

僕の家で飼っているダックスフンドは、吠える相手と吠えない相手がいる。

僕は不思議に思っていたのだが、親族や母親の友人には初対面でも吠えないところ見ると、どうやら飼い主の反応を見て敵か味方か判断しているのだろうなと納得した。

相手が好きか嫌いかどうかは犬でもわかるという怖い話。

 

人間も相手が自分に関心があるかどうかを容易に見抜く。

関心があるフリは通用しない。(特に女性はダックスフンドの何倍も敏感だ)

なので無理して相手の話を聞いたり、相手に合わせるというのはなんの意味もないどころか害。

 

相手の話を聴くには?

 

共通の趣味があれば話が盛り上がる、というのは1言でいうと相手の関心事に関心がある状態

さらに相手が魅力的な異性であるならば、相手自身にも関心があるので、会話の楽しさは最高のレベルになること間違いなし。

逆に言えば嫌いな相手や、つまらない人間だと思う相手の話は、興味を持って聞くのは難しい。

至難の業、そう言っても差し支えないだろう。

 

冒頭の女子大生に友人がいないのは、周りの人間を薄っぺらいヤツだと見下しているからというのが、要因の1つとして大きいだろう。

あいつらは好きでもない流行りの曲を聴いて、毎日ソシャゲをしている知的好奇心のない奴ら。(そのようなことを書いていた)

本を読むようなタイプや学問に通ずる人は、侮蔑というレベルまでいかないだろうけど、そうじゃない人を見下してしまう時期があるんだ

新しいことをすると初めのうちは自分が偉くなったように思う。

ファッションに目覚めた中学時代の同級生マサヤ君と哲学者カント、心の動きは同じであったな……。

 

まず相手を尊敬しなければ、相手の話は聞けない。(尊敬とはありのままにその人を見ることであると、アドラー心理学に書いてあった)

 

終わりに

 

僕から見てあまりにもネガティブな要素が多く、友人関係になるどころかコイツとは接したくないなっていう人でも、大体友人がいる。

なので僕は、よほど反社会的な人じゃない限りは友人がいるものだと考えていたんだ。

 

ちなみにネガティブな要素ってのは、例えば毎日朝の4時まで遊んでいるとか不摂生すぎる人とかのことだ。

僕は早寝したいので、そういう人が身近にいるとハッキリ悪影響だからね。

 

若い女性と会話したい、若い女性の話を聞きたいなんて男性はたくさんいるのに、友人がいない女子大生が存在するとはどういうことなんだ?

しかも彼女はルックスも育ちも頭も悪くなかった。

 

人間は似たもの同士が友人になりやすいそうです。

すなわち、面の皮が厚い人同士はお互いが見つかりやすいけど、控えめで回避性が高い人同士は見つかりにくい。

理由としては多分それかな。

 

最後に冒頭のロバート・ウォールディンガーのTEDを貼っておこう。

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