
人生がうまくいかない、もしくは逆に、人生がうまくいっている。
そう思えるのは、単純に本人が納得できているかどうかの違いでしょう。
人生がうまくいかないという人も、ただ期待に及ばなかっただけなのです。
人生をゲームやスポーツといった、なんらかのスキル習得に見立てて考えてみましょう。
未知のものを別の何かに置き換えるというのは、学習の世界ではアナロジーといって、素早く理解するのに有効な方法です。
たとえ話、とも言われますね。
目標とするパフォーマンスレベルを明確にする

新しいスキル習得方法と、人生を比べてみましょう。
一般的に、目標とするパフォーマンスレベルが低いほど、スキルの習得は速くなる。
一流を目指そうというつもりでやっている人には”ごまかし”と思えるかもしれない。
速く達成できるように、ハードルを下げているんじゃないか、と。
まさにそのとおりだが、ごまかしではない。
超速スキル獲得法の目的は世界のトップレベルに到達することではない。
必要充分なレベルに最速で到達するのが狙いであって、完璧など目指してはいない。
著ジョシュ・カウフマン たいていのことは20時間で習得できる 34~35Pから引用
必要充分という考え方、人生においては重要でしょう。
良く言われますよね、「完璧主義は良くない」って。
人生をスキル習得として考えるのであれば、まずは目指すべきパフォーマンスレベルを改めるのが良いでしょう。
一流のスポーツ選手の親の工夫

次は一流のスポーツ選手の話をしてみましょう。
第一段階として子供時代のエキスパートは、やがて自分が興味を持つことになる分野と楽しい出会いをする。
スーザン・ポルガーはチェスの駒を見つけて、その形を気に入った。当初は遊ぶためのおもちゃに過ぎなかったのだ。
タイガー・ウッズが小さなゴルフクラブを与えられたのも、わずか生後9ヶ月の時だった。もちろん玩具としてである。
著アンダース・エリクソン 超一流になるのは才能か努力か? 246Pから引用
やる気には外からのやる気と、内から湧き出てくるやる気というのがあります。
それぞれ
- 外発的動機づけ
- 内発的動機づけ
と呼びます。
生後9ヶ月の子供に、ゴルフに対する内発的動機などあるわけがないので、親はこういった方法を取るのです。
つまり、最初に厳しくすると取り返しがつかない。という話です。
燃え上がるような内発的動機がないのに、理想が高いというのは、おかしな話ですね。
スポーツなら誰でもわかるのに、人生の場合、何故か最初から厳しくしてしまいがちです。
極限状態で生きる条件

1944年、アウシュヴィッツ強制収容所の話です。
屈強な者は、長く耐えられなかった。
若者も耐えられなかった。
勇ましい者も、従順な者もだめだった。
自らも収容されていた精神科医のヴィクトール・フランクルは、この世で最も過酷な場所で、恐怖に耐えて生き続けられる者は、生きる意味を見いだしている者だと悟った。
著エリック・バーカー 残酷すぎる成功法則 104~105Pから引用
若者は生きる意味を見いだしにくい、という部分は体感的に納得できます。
人生に悩んだりつまづいたりするのは10代が多いですし、人生の意味を見いだしている3歳時の話は聞いたことがありません。
意味を見いだせれば人生は有意義になるという話ですが、「なら意味を見つけるか!」と思っても、見つかるわけがありません。
というわけで、人生というのは「生きていると意味が見いだせて段々楽になっていく」という事実を心に留めておく程度でいいでしょう。
中ぐらいを目指すという生き方【完全主義の克服】

完全主義を克服する最も有効なやり方を紹介します。
あなたに、中ぐらいでいることをお勧めします。
これは、ばかげたことに思えますか?
それでは、たった1日でいいから、中ぐらいでいるよう努力してみてください。
やってみますか?
その結果2つの事が起こるだろうと思います。
1つは中ぐらいでいることにうまく成功しないこと
2つ目はそれにもかかわらず自分のしたことに十分満足するだろうということです。
著デビット・D・バーンズ 嫌な気分よさようなら 363Pから引用
「足るを知る」、「半分くらいで満足するのがちょうどいい」、「腹八分目」といった言葉がありますね。
人生も中ぐらいを目指せば良いのです。
世界一有名なうつ病のセルフヘルプ本に書いてある方法だけあって、この考え方は物凄く有効です。
先程書いた超速スキル獲得法と同じで、中ぐらいを目指すのは大変面白いのです。
この考えは子供の時に知りたかったですね。
書いたことのまとめ
村上春樹は、「規則正しい生活をしていれば大抵のことはなんとかなる」と言っていました。
規則正しい生活を守るというのは、特別に難しいことではありませんので、これも中ぐらいの努力という分類になるでしょう。