小学生の頃、同級生相手にどちらが長く息を止めていられるか、という勝負を挑んだことはないですか?
もしくは、反対に挑まれたことは?
大人になると何故かそういった遊びをしなくなりますが、実は息を止めるという行為には様々なメリットがあります。
しかもそのメリットがかなり強力で、普段の生活を劇的に変える可能性が大きいとしたらどうでしょう?
身体が健康なのであれば、是非一度試してみてください。
それではまず、息を止めることのメリットについて説明させていただきましょう。
忙しい人のための要約
- 息を止めると恐怖心を克服できる
- 息を止めると脳への血流量が増えて頭が良くなる
- 息を止めると異常に覚醒する
- 医学的に6分以上呼吸を止めると危険
- 昔と違って今は臆病である必要性が薄い
1. 恐怖心を克服できる
筋弛緩法というのを知っていますか?
全身に力を込めると反動でリラックスするという、よく夜眠る前にすると良いといわれる方法です。
簡単な手順
- 身体を緊張させる
- 身体がリラックスする(せざるえない)
- 身体がリラックスすると脳もリラックスする
心の状態は、姿勢や身体の状態に左右されるというのを利用した方法です。
息を止めてリラックスする方法を、ロシアの軍隊格闘術システマでは、ブレスホールドエクササイズと呼んでいるみたいです。
簡単な手順
- 限界まで息を止める
- 死にかける
- リラックスする
筋弛緩法に比べると、かなり極端な方法になっています。
良い子のみんなは真似しないでね、というヤツです。
ラスト10秒は本当に死んでしまうくらい苦しいので、日常的な恐怖全般に対して強くなります。
日常的な恐怖の例をいくつかあげてみる
- 人に声をかけて無視されるかもしれない
- 面の皮の厚いことばかり言って嫌われるんじゃないか
- 自分ができていないダメな部分を認める
ブレスホールドエクササイズをすると、不思議とそういった恐怖が大したことないなと感じるようになります。
最近は、やる気以前に恐怖心というものが普段からずっと自分の行動力を削いでいたんだなと実感します。
2. 賢くなってアイデアが沸く
息を止めると脳みそは酸素が不足したと感じるので血流量を増やすらしい。
実際に不足しているので当たり前だよねって感じだし、息を止めてみればすぐ経験できるでしょう(とても辛い) 。
でも脳の血流が増えるのは、相当脳みそに強力そうですよね。
僕がこの話を初めて聞いたのは幼い頃でした。
テレビでドクター中松という発明家の人が、アイデアを出すために水中で限界まで息を止めるとよく言っていました。
実際に試す人は少ないだろうなと感じたのですが、よく考えると確かに思い当たることがあります。
例えば水泳は子供の教育に良いという話は有名で、金持ちの家では幼い子供をスイミングスクールに通わせますよね。
実質、水泳かピアノかみたいになってるらしいです(ちなみに絶対音感は幼い頃じゃないと習得が非常に難しい) 。
男性ならば、誰もが血流が増えることによる効果を知っているはずなので、これ以上の説明は必要ないでしょう(シモネタだけど、わかりやすくない?) 。
血流量が違うということは、圧倒的に違うということである。
3. 驚くほど目が覚める
昔、短眠方法についての怪しげな本に書いてあってよく実践していました。
やり方は次の通り。
- 朝目覚めたら布団の中で息を止める
- 脳がスッキリするので目が覚める
僕は睡眠時間を短くすることはできませんでしたが、この方法だけは非常に実践的で今でもよく活用しています。
手を閉じたり開いたりを繰り返すとか、少し寝返りを打つみたいな方法に比べてかなり効果が高いように感じますね。
眠い時でも朝起きれる自分なりの方法、誰でも多少持っている気がしますが、僕はこの方法を使っています。
個人的な体感ですが息を止めたあとの覚醒レベルを100とすると、午前中の頭が冴えている時間帯でも30くらいに感じます。
歴史上の天才は興奮剤を常用している人が多かったらしいですが、一度高い覚醒状態を感じてしまうと興奮剤を常用する気持ちがよくわかります(数学者のポール・エルデシュなど) 。
なんか退屈なんですよね。
練習方法とパージ
限界まで息を止めて、記録をつける。
これだけでも効果が出るし、楽しいと思います。
ですが、どうせやるなら5分くらい息を止めれるようになりたいですよね?
そしてパージを学びました。 パージとは激しく速く息を出し入れすることです。 息を吸って吐いて、これをすることで頭がふらふらし、ちくちくした感覚を経て、体から二酸化炭素を吐き出すのです。こうすることで息を止めるのがより簡単になります。 (実際にやってみせて)そして大きく息を吸い込む。そして止める。リラックスして息は決して吐き出さず、苦しくてもそのままリラックス。 毎朝、4ヵ月間、目が覚めてまずするのは、52分のうち44分間息を止めることでした。どういうことかというと、まずパージを1分間、目一杯した後、すぐに5分半息を止める。そして1分間呼吸をして、すぐパージをして、また息を5分半止める。 これを8回繰り返す。52分のうち、息をしているのは8分間だけです。これが終わる頃には、脳みそが熱を持って、ぼーっとして、酷い頭痛が襲ってきます。基本的に、これをやっている時の私とは会話が成り立たなかったでしょう。 引用元 水中息止め17分間の記録を達成した、マジシャンの告白「医者が不可能だと言うことに挑戦したい」
今朝、最初に息を止めた時の僕の記録は1分45秒でした。
ですがそのあとすぐに、パージというものをしてから止めたら、なんと3分10秒も止められたのです。
流石にこの引用くらいハードな練習はしませんが、息を止める際には知っておいたほうがいいでしょうね。
息を止める際の注意点
医者が言うには6分以上で低酸素障害の危険がともなうと言われています。
なので先程のマジシャンも、普段の練習で5分30秒息を止めているんですね。
11分とか13分止めていられる人もいるので、普通に練習したら6分以上止められてしまう人が多いんでしょう。
つまり、6分以上息を止めてはいけません。 長くても5分30秒くらいにとどめておいたほうが良いということです。
簡単な練習手順
- パージする(時間を測る)
- 息を止める(必ず時間を測る)
- 時間を記録する
- 1日1回短い時間100%集中してやる
これである程度長い時間、息を止めておくことができるようになるはずです。
我々が臆病な理由。
人間は安全なことよりも危険なこと、ポジティブよりもネガティブな事柄に強く反応するようにできています。
何故かというと大昔は危険がいっぱいだったから。
人に悪口を言われて気にするのも、昔は小さい規模の集落で活動していたので、他人の評判というのが大事だったからです。
また、考えなしに狩りに出かければ命を落とす可能性が高かったでしょう。
「立派なタテガミがある猫みたいな動物がいるな、ちょっと戦ってみるか!」とか「このキノコ見たことないけどうまそうだな、食べるか!」なんてアグレッシブな人は、命がいくつあっても足りなかった。
他には美人にアプローチするのも危険だったようです。
集落のボスに何かされる可能性が高いですからね。
現代社会はそういった危険がほとんどありません。
人にどう思われているか気にする必要がないし、リスクがない行動ならば綿密な計画を立てる必要性もありません。 過剰な恐怖心を簡単に克服する方法が、今日紹介した息を止めるという方法です。
最後にウィリアム・シェークスピア「ジュリアス・シーザー」のセリフを引用して終わります。
臆病者は死する前に何度も死とまみえ、 勇者は生涯一度しか死を味わわぬ。
そろそろ勇敢になっても良い頃です。
ありがとうございました。
参考にした記事や本など
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[amazon asin="4479305580" kw="スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)"] 心拍数は少ないほうが良いと書かれてあった