数年前、友人と性格の良し悪しの話になった時。
「そういうのはただの主観の話だろう、その話は嫌いだ」と、妙な対応をされたことがあった。
確かに誰々の性格が良いとか悪いというのは、本人にとって都合が良いか悪いかというだけである場合が多い。
身も蓋もない事実に、中学生くらいで気づく。
性格が良いだの悪いだのという話は、食べ物の好き嫌いの話をしているのと一緒であり、ただの主観的な話なのだ。
そこで、今回はハッキリとした指標を持って決めてみよう。
人を評価するのは気が引けるが、性格の良し悪しを判断する明確な基準も欲しい。
いわゆる性格の良い人とは、客観的にどういった人のことを指すのだろうか。
ギバーとマッチャ―とテイカー
ビッグ・ファイブやパーソナリティー性格診断である程度の性格はわかるが、良し悪しという分類はできない。
何故出来ないのかというと、性格には優劣がないから。
そこで明確に優れている性質を考えてみた。
結果、アダム・グラントのギバーマッチャ―テイカーという分類が適切だろうね。
ギバーとは
ギブ&テイクという言葉を聞いたことがあるだろう?
ギバーというのはそのギブのこと。
受け取る以上に与えるタイプの人をギバーという。
このタイプは見返りを求めないので、誰に対しても自分から積極的に親切な行動ができる。
いわゆる典型的な「いい人」というやつだ。
ただし後述するテイカ―には注意する必要があるし、本人の能力も高くないといけない。(人を助けられないと絶望してしまうから)
マッチャーとは
受け取ることと与えることのバランスを取ろうとする人を、マッチャーという。
いわゆる「普通の人」だ。
ただし公平さを尊ぶのであれば、人に親切にして見返りがなければ不満に思ってしまう。
そのため人間関係はどうしても受け身になりがち。
マッチャーは対人関係において、ギバーよりハッキリ燃費が悪い。
自分から親切にすると、不満が残る結果になりやすいからだ。
見返りを求める人は卑しいという風潮があるが、そういう人は極めてありふれた一般的なタイプという話。
ちなみに、ほとんどの人はマッチャ―に分類される。
知っておくべきことだと思う。
テイカ―とは
与えるよりも多く受け取ろうとする人のことを、テイカ―という。
これだけ書くとテイカ―も普通の人のような響きだ、しかし実際はろくでもない。
テイカ―は常に人から搾取しようとする、ゆえに人を信用できないのだ。
これは偽の合意効果と呼ばれる認知バイアスで、テイカ―は自分がろくでもないので相手もろくでもないと思ってしまう。
さらに悪いことにギブ&テイクというのは、お金や時間だけに当てはまるものではない。
常に全てを多く受け取ろうとするのであれば、人間関係は壊滅的。(喧嘩の時いつも相手より多く殴らないと気が済まない)
僕もこの手のタイプと付き合いたいとは思わない。
人間はテイカ―を見抜くのが苦手
ギバーが良いヤツで、テイカ―が悪いヤツなのはわかった。
でも訓練されてない普通の人は、全然人を見る目がない。
当たり前なんだけどテイカ―が普段からテイカ―テイカーしてたら、大勢のマッチャ―に処罰されてしまう。
なので彼らは取り繕う。
嫌なヤツのが何事もうまくやる傾向があるしね。
人当たりの良さというのは表面的なもの、そして大抵の人間関係も表面的。
例えば次のような場合、わかりやすいのは最初の2つだけ。
- 人当たりの良いギバーは全てにYes
- 人当たりの悪いテイカ―は全てにNo
- 人当たりの悪いギバーは批評的な意見をあえて言う
- 人当たりの良いテイカ―は裏でひどい事をする
1番はステレオタイプのギバー。
2番のタイプは僕の人生を振り返っても心当たりがないんだけど、いたとしても関わらないので納得ではあるw
3番はジョジョ3部の子犬を助けるカーズ様みたいなタイプ。漫画や小説の人気ある悪役は大体コレ。
4番は主人公の足引っ張るヤツ、見ている人にストレスを与える人物としてよく描かれる。
我々は4番目をすぐに見抜く方法を知りたいわけだ。
テイカ―をすぐに見分けられる方法
アダム・グラントは世の中の女性と同じことを言っている。
店員への態度が悪い。
ネットで頻繁に見かけるシンプルな一文は、この世の真理であるらしい。
いわゆる、人によって態度が違う人には注意しろという話だ。
ほとんどの女性はここらへんしっかりしているんだが、男性というのはコミュニケーション能力が低いので騙されやすい。
テイカ―は上には媚び、下を虐げるという話なんだが考えてみれば当然だ。
彼らは人に親切にするのが苦痛だからね。
餅は餅屋、鑑識眼は女性。
終わりに
昔、同級生にKくんという人がいた。
彼は頻繁に「いつも人からの見返りを求めてしまうんだよな」と言っていた。
いつも自身の心の醜さを嘆いてた。
彼はマッチャーを通り越してテイカータイプだった。
人間は社会的動物なので、ギバー以外も基本的には結構親切なのである
。
普段からあからさまにテイカ―テイカーしてるヤツがいたら、そいつが悪いのは性格よりも頭だ。
テイカ―が女性と付き合うためには、親切を装う必要がある。
なのでKくんもそのような動きをしていたというわけさ。
そんなわけでK君は見た目は良かったし話し方もしっかりしていた、だけど男女問わず人間関係は全然続かなかったし、全く人に好かれなかった。
気の毒なくらい人に好かれない人っているが、今思い返せばテイカータイプじゃなかったかい?
Kくんは自分が好かれない課題を特定できていたのだが、生まれ持っての性質は克服できたのだろうかと、今回の記事を書いていて思った。
人間関係をもっと良くしたいと本気で思っていたし、優秀だったんだろうなってね。
結論を言うと、ギバー>マッチャー>テイカ―の順にいいヤツである。
自分はギバーっぽいなーと思う人は男女問わず、是非アダム・グラントのGIVE&TAKEを手にとってみてほしい。
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