声が小さい人の頭の中はどうなっているのか?

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声が小さい人の頭の中

小学生の頃、学年に1人だけ声が小さい女の子がいた。

国語の教科書は得意な人が読めばいいし、歌うことを強制する人もいなかったので、当時は特に印象に残らなかった。

大人になってから、意外とそういう人が多いことに気づいた。

人間の仕組み的に、目立つものは重要であると思うという特徴がある(認知バイアス)。

つまり人間は声が大きい人に注意を向けるのだけど、声が小さい人のことは無視してしまうのだ。

さきほどの声が小さい同級生が印象に残らなかったのは、このためである。

なので声が小さいというのは、人生において恐ろしく不利ということになると考えられる。

それでは、声が小さい原因と克服方法について、スポーツ選手的な視点で書いていくことにする。

声が小さい人は頑張りすぎている

言葉がスラスラ出てくるのに声が小さい、そのような人は見たことがない。

声が小さいのに適当なことばかり言う、そのような人も見たことがない。

声の小さい人は、時間はかかるけど話す内容は他の人よりもしっかりしている人が多い。

おそらく、キチンとした内容を話そうと頑張りすぎてしまうのだろう。

僕も文章をうまく書こうと思うと、書けないし出来も悪い。

女性に良い格好をしようとする男性は多いが、大抵ロクな結果にならないのと似ている。

ところでスポーツの世界では、頑張りすぎて動作が詰まってしまう症状に、名前が付いていることをご存知だろうか?

思い通りに筋肉を動かせなくなるイップスという症状

イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。

本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。

Wikipedia イップスより抜粋

止まっているものを動かす動作は全てイップスになる可能性があると、野球選手の岩本勉さんも言っていた。

僕自身に野球の経験はないのだが、野球の場合止まっているボールに力を加えるのは送球する時だけなので、野球の世界では送球イップスと呼ばれることが多いようだ。

発声とスポーツは筋肉を動かすことで共通しているので、声が小さい原因の1つとして、とても納得しやすいだろう。

言葉に詰まる姿とイップスは、非常によく似ているのだ(というか同じ仕組みだと思う)。

動作の前に色々と考えすぎるとイップスになる。しかし残念ながらイップスに対する簡単な対処方法はない。

心理的な問題なので、イップスの原因は人それぞれ違うからである。

真面目である、うまくやろうとする、頑張りすぎる、人からよく思われたいなどあるが、これだと思う原因は人によって違う。

ちなみに「相手の心を読みすぎる」というのは、認知の歪みの1つとされているので、心当たりのある人は特に注意してほしい(認知の歪みは10パターンある)。

というわけで、声が小さい人はイップスなのではないだろうか?

発声イップスと呼べるかもしれない。

次にイップスを克服する方法として最も効果があると思われる、インナーゲームという概念を紹介していくことにする。

インナーゲームとセルフ1とセルフ2

イップスがゴルフと野球ならば、インナーゲームはテニスの概念だ。

セルフ1セルフ2
ガルウェイは、競技者の心中で行われるインナーゲームにおいて、二人の自分がいると考え、それぞれセルフ1、セルフ2と命名してその性質を調べた。

実際の勝負(アウターゲーム)の最中に多くの人は、心の中で自分自身のプレイに対して悪態をついている。

ガルウェイは、これを「セルフ1がセルフ2を非難している」ととらえた。

フロー体験またはゾーン体験、ピークエクスペリエンスなどと呼ばれるような、高度な集中力が発揮されている場面では、このようなセルフ1によるセルフ2への非難は沈静化し、セルフ2のもつ潜在的な学習能力と創造力がのびのびと機能する、というのがインナーゲームの考え方である。

Wikipedia インナーゲームより抜粋

テニスの場合は

  • 自分自身に命令する自分をセルフ1
  • 実際に身体を動かしてプレイする自分をセルフ2

と呼ぶ。

なので会話の場合は

  • 話す内容を考えるのがセルフ1
  • 実際に話すのがセルフ2

となるだろう。

ボールをどう打つか頭で考えてから打つのでは話にならない。というのは、テニスをやったことがない人でもわかるだろう。

将棋やカードゲームではないので、プレイ中に熟考できないからだ。

人との会話もまた同じで、恋人同士でもない限り、言葉に詰まることなくスムーズに返答しなければいけない(いけないことはないが、人間待つのが苦手)。

話す内容を考えてから話すというのでは、遅いわけだ。

少なくとも日常会話では、考えてから話す、そういう話し方はしない。

日常会話をスポーツと見てスムーズにプレイしたいのであれば、セルフ1で何を話そうと考えるのではなく、セルフ2に任せるのが良いというわけだ。

理想的な会話のイメージは掴めたと思うので、次は内向的な人について考えてみよう。

恋人同士の場合は、相手が言葉に詰まれば聞く姿勢を取るだろう。

人間は自ら聞く姿勢を取った場合に聞く話は、重要だと思う性質がある。

声が小さいことのメリットを挙げてみた。

声が小さい人は内向的な人が多い

内向的な人と外向的な人の違いは、何かが起こった時に、いちいち考えるかどうかの違いらしい。

セルフ1が優位なのが内向的な人といえる。

学習の世界だと、初期の段階では手順(プロセス)を考えるというのが大切。

手順を考えるのはセルフ1の役目なので、内向的な人のほうが物事を習得するのに向いている。

もっというと、プロレベルのアスリートになると内向的じゃないと話にならない(9割以上の人が自分は内向的だと答えるそうだ)。

なので、あなたにも心当たりがあると思うが、内向的な人のほうが会話も上手な傾向があるのだ。

しかしイップスに苦しむのはスポーツ選手であり、内向的な人ほどイップスになる可能性が高い。

ところで会話の目的とはなんだろう、我々はなんのために会話をしているのだろう。

本当に会話が上手な必要があるのだろうか?

会話の目的とは

会話の目的というのは色々説があって、その中で印象に残っている3つを挙げてみる。

  • 人間同士が協力するためという説
  • 相手を思い通りに動かすためという説
  • 会話自体が目的という説

1つ目の人間同士が協力するためというのは、最初に言葉を話すようになった時代の話。

つまり大昔のこと。

2つ目の思い通りに動かす、言い方を柔らかくすると説得する、ということになる。

これは現代社会の話で、つまり広告や物や情報を売る時の話。

相手を説得する、つまりYesと言わせるコツみたいなものが世の中にはある。

3つ目は猿の毛づくろいと同じ。

群れのコミュニケーションを円滑にするとか、ストレスを緩和するといった目的だ。

自分が日常生活で体験した、ほとんど誰も興味を持たなさそうな話を聴いてくれる人がいない人生は、中々辛いものになる。

この中で上手なほど良いケースは2つ目だけ。

普段の会話で特別上手に喋る必要は、全くないように思える。

終わりに

話したこと
  • 頑張りすぎるとイップスになる
  • うまく話す=セルフ2に会話させる
  • 上手に雑談するという概念はない

それでも上手に話したいという人がいるのであれば、専用の書籍を買うのが良いだろう。

友人や家族と、もっと楽しくコミュニケーションをすることができるかもしれない。

イップスや抑うつ、不安症というものは真面目な人ばかりなると言われている、熱中症になりやすい人と特徴は同じだ。

会話に限らず、何事も意識せずにプレイできれば良いのだけど、全く意識しないことは上達もしないのでバランスが難しい。

デビッド・D・バーンズという認知行動療法の偉い先生が言うには、「中ぐらいを目指す」というのが良いそうだ。

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