僕は生産性が低い。
というわけで数ヶ月前、HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)という中々評価が高い本を買ったのである。
買ったのはいいものの、正直に言うと当初は内容がわからなかった。(いいところの管理職が読むものだしね)
しかし、先日読んだらすんなりと頭の中に入ってきたので紹介したい。
ちなみに著者のアンドリュー・S・グローブさんは、IntelのCEO(最高経営責任者)だった人だ。
生産の基本原理
本書の第一章では、まず生産の基本というところからスタートする。
仮に読者がレストランのウェイターであると想定してみよう。ウェイターのしごとは、3分間の半熟卵とバター・トーストとコーヒーの3品を同時に準備して、できたての熱いうちに客のテーブルまで運ぶことである、としよう。
この仕事には生産の基本的要件が含まれている。
- あらかじめ決められた一定の時間で提供する
- 納得してもらえる品質の製品を、できるだけ安いコストで提供する
というわけで、客が入ってきてから一定の時間に、まっとうなコストで朝食を作る。
最初にやるべきことは、作業の中心的なステップを突き止めることであるらしい。
ではどういう基準で突き止めればいいのか?
リミッティング・ステップ
- コーヒーは常に熱々
- トーストはトースターで1分
- 卵は3分ゆでる
カギとなる大切な考え方は、最も長い、もしくは費用がかかる、とか難しいステップから生産の流れを組み立てて、逆に考えていくことらしい。
すなわち、この場合は卵>トースト>コーヒーの順番で組み立てていくということだね。
リミッティング・ステップという考え方らしい。
すなわち、卵をゆでてる間にトーストとコーヒーを用意すればいい。
ラーメン屋でも一番時間がかかるギョウザから作る。
それと同じ。
トーストが1分っていうのは、米派の日本人にはわかりにくいかもしれない。
だから個人的に補足しておこう。
高温で表面だけカリッと、中はフワッとさせるのがバター・トーストというものらしいんだ。
僕は食パンは8枚入り派なんだけど、予熱をしてからカリッと1分ならば、確かに6枚入りのほうがずっと美味しそうな気がしてくるね。
インディケーター
インディケーターとは指標のこと。
物事をうまく回していくためには、測定するものが大事。
あなたはPixivに作品を挙げる絵師だとしよう。
クオリティーというインディケーターを使うこととする。
するとどうなるかというと、クオリティーはどんどん上がるかもしれないが、完成日がどんどん遅くなっていくと予想される。
指標が一つでは、大抵やりすぎてしまいがちになるそうだ。
クオリティーだけをチェックしていれば、強迫的な完璧主義者にならざる得ない。
ではどうすればいいのか?
指標をペアで使う
「クオリティー」と「時間」という2つのインディケーターをセットで使えばいい、という話だ。
そうすれば、決して完成しない完璧な絵を書くことが避けられるし、手抜きの落書きを上げることも避けられる。
少し考えてみれば当たり前なんだけど、僕にとっては目からウロコだった。
小学生の低学年の頃、漢字練習帳の丸々1ページに口という漢字を書いたことがある。
これは1ページという量しか見てなかったためだね。
(子どもながらにあんまりだなと書いてて思ったし、当然やる気もなかった)
終わりに
この本は著者のレベルが高すぎるためか、中々の難読書だ。
第2部からは本当に難しいことばかり書いてある。
経営管理者の人以外にはオススメできる難易度の本ではないけれど、リミッティング・ステップとインディケーターの考え方には素直に感動してしまった。
[itemlink post_id=”1787″]
コメント