最近、心理学でオススメの本を聞かれることが多いので紹介していくことにします。
心理学の本を読みたいと思う動機は、主に次の4つらしい。(検索ワードからみた場合)
主な4つの動機
- 恋愛に活かしたい
- 仕事に活かしたい
- 心理学自体に興味がある
- 自分の行動を変えたい
1番に近いほど人数が多い。
3番以外は差し迫った状況を感じますが、変化というのは少しづつ起こるそうですよ。
人間は様々な動機から心理学を頼りますが、自分1人で選んでも目的にあった本は探し出せないと考えたのではないでしょうか?
その判断は正しいと思います。
心理学に限らず。「本は選ぶのが難しくそのジャンルに詳しい経験者に聞かないとわからない」と言われていますからね。(漫画や映画ならば面白そうなものを選べば良いからね)
というわけでこの記事の内容は、あなたが目的にあった本を選べるように手助けをすることです。
恋愛の役に立つ心理学の本
僕も中高生の頃、恋愛本を買っていた時期があります。
今思えば内容は酷いもので、「愛は左耳に囁やけ」とか「10日連続で電話をかけて、それ以降かけないと相手は気になりだす」とか酷いものでした。
どんなに頭が悪い人でもわかると思うんですが、左耳に愛を囁く機会があったら、もうその恋愛は成就しているでしょう。
自分が片想いしている相手が10日も連続で電話を取ってくれるのであれば、もう告白したほうがいいね。
ということに何故か中学生の僕は気が付かず、なろう小説にも似た恋愛本を必死に読んでいました。(でも中には凄く役に立つ本もあった)
そんな恋愛博士だった僕が思う役に立つポイントは次の2つ。
- コミュニケーション能力が大事
- 男女問わず人に好かれる人というのは変わらない
この2つにそれぞれピッタリな本を挙げていきましょう。
話す技術聞く技術
[amazon asin="4532318424" kw="話す技術・聞く技術―交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話」"]
1番に関しては、話す技術聞く技術という本がオススメです。
会話に失敗する理由はたった3つしかないとか、人と生産的に付き合う方法、Eメールを読む時の3つの注意点など実践的な内容が多い。
ただ本の内容のせいか、非常に読むのが疲れます。(自分の人生をいちいち振り返りながら読むこととになるせいかな)
429ページの本ですが、読むだけでも一ヶ月以上はかかるんじゃないでしょうか。
男性は女性に比べるとかなり会話が苦手なので、どちらかというと男性向け。
会話がしっかりしていれば、頭が良いと思われる副次的なメリットもあります。(人が相手の頭の良さを判断する基準は、話し方以外にないと言われている)
10代の男子に読ませたい本ナンバーワン。
とりあえず「愛は左耳に囁くといい」という内容は、話す技術聞く技術は最後まで出てきませんでした。
Give&Take
[amazon asin="4837957463" kw="GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)"]
2番に関しては、Give&Takeという本がオススメです。
人間には3つのタイプがあり、ギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)となっているそうです。
ギバーのメリットと、テイカーへの対処方法が書かれているので、当然いい人と悪い人の見分け方も読めばわかる。
美人であれば幸せな人生を送れるわけではないようです。
美人の周りには悪い男が集まってくるし、善人というのは控えめであるので、美人は人を見る目がないとダメらしい。
というわけで、どちらかというと女性向けの本になるのかな。
恋愛のために心理学の本を読もうとする人なんて、外見にコンプレックスがないのでルックスが良い人が多いでしょうしね。
それに男性は「相手の外見が良ければ他はどうでも良い」と思う人が多いので、女性の性格はあんまり気にしないんじゃないかな。
仕事の役に立つ心理学の本
[amazon asin="4414304245" kw="PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間"]
影響力の科学という世界的ベストセラーがありますが、影響力の科学と同じ人が書いています。
前作は騙されないように消費者向けに書かれているんですが、プリ・スエージョンは逆で、売り手側に向けて書かれています。
面白いエピソードを交えながら説明しているので、意外と読みやすいですがそれでも最後まで読み終える人は少ないんじゃないかと思います。
普段から本を読まない人や、「前作も読んだほうがいいか?」という人はオーディオブックも購入するといいでしょう。
前作の内容に詳しければ、スラスラ読めるはずですからね。(コミカライズされた小説を漫画で先に読むと、原作の小説に入りやすいのと一緒)
心理学自体に興味がある
[amazon asin="4864105758" kw="残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する"]
翻訳前のタイトルはBarking up the wrong tree(間違った木に向かって吠える)といって、見当違いをしているという意味の熟語です。
残酷すぎる成功法則というタイトルはインチキ臭いですが、9割間違える「その常識」を科学するってのは秀逸。
ちなみにこういう翻訳タイトルにありがちな成功という単語に日本人はよく反応するらしい。
その都合で翻訳本はタイトルが格好悪くなってしまう、こういう本読む人とか著者って大体カッコつけだから、逆に元のタイトルがカッコ良すぎるだけなのかもしれません。
- 成功するにはエリートコースを目指すべき?
- いい人は成功できない?
- 勝者は決して諦めず、切り替えの速いものは勝てないのか?
- なぜネットワーキングはうまくいかないのか?
- できると自信を持つのには効果がある?
- 仕事バカか、それともワーク・ライフ・バランスか?
という章に分けられており、それぞれいくつもの証拠と物語が書かれている。
どちらが良いのかだけでなく、どうすればいいのか分かりやすい行動も書かれているので、ぜひ手にとって見て欲しい。
2番はGive&Takeの本に近い内容が書かれているし、3番はやり抜く力GRIT(グリット)という本の内容に近い。
嫌なヤツにも優れている利点があるし、見切りを付けるのも良い場合があると中立な視点から書かれています。(この本1冊だけ読んでも、認知バイアスが起きにくい)
広いけれど、そこそこ深い本。
単純に読み物として面白いので、誰でも最後まで読めるような気がする。
行動を変えるのに役に立つ心理学の本
[amazon asin="4479794964" kw="スタンフォードのストレスを力に変える教科書"]
人間やる気というのは凄く大事なんですが、それ以前の問題として「ストレスは体に悪いもの」だと思っていると大変なことになる。
賢い人ほど脅威を避けたり、考えすぎて行動力がなかったり、感情をコントロールしようとしがち。
でも「あんまりそういったこともしすぎるのも良くないよ」と教えてくれる本。
ケリー・マクゴニガルさんの本の中でも1番の名著だと思います。
[amazon asin="4801400426" kw="図解 モチベーション大百科"]
図解なだけでなく配色も見やすい。
大百科と書いてありますが、参考文献が何故かページに紐付いておらず、そんなに本格的ではないです。(見やすさに気を使いすぎたからなのかも)
広く浅くといった本ですが、シンプルゆえに具体的な行動に落とし込みやすく、軽い気持ちで何度も読める本。
学者の人が書いた本ではないし、日本の人が書いた本なので権威性はありません。
でもコンセプトとしては素晴らしいし、こんなに見やすい本は中々ない。
個人的にオススメできない本
[amazon asin="4478025819" kw="嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え"]
タイトルを知らない人、ほとんどいないんじゃないかと思われるベストセラー。
物凄く内容が素晴らしく、読んでいて気分も良くなる本です。
でも世の中に2割いるテイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)のことを無視しているし、この本だけ読んでもよろしくない結果になると思う。
色々な本を読む人ならば問題ないのですが、普段本を読まない人が嫌われる勇気だけ買うっていうのはオススメできません。
読んだ人はわかると思いますが、著者の岸見一郎さんが明らかに善人なので、嫌われる勇気が好きな人も良い人が多いでしょうね。
個人的にオススメの本
[amazon asin="4163904956" kw="超一流になるのは才能か努力か?"]
あの一万時間の法則で有名なアンダース・エリクソン教授の本。
主に限界的練習(Deliberate Practice)と心的イメージ(Mental Represention)について書かれています。
本格的な認知心理学の本ですが、意外と読みやすく、何かに打ち込んだ経験がある人ならとても楽しんで読めると思う。
たぶん羽生結弦選手も持ってるんじゃないかな。
ちなみに翻訳前のタイトルはPEAK。
カッコいいけどあんまりピンと来ない。
終わりに
オススメの6冊+オススメできない1冊を紹介しましたが、特に優れているなと思った本は次の3つです。
3つの名著
- 超一流になるのは才能か努力か?
- 残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する
- PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間
僕の好きな順に並べましたが、どれも傑作で「俺この本読んだことあるぜ!」って誰に対しても自慢できる本です。
本を読むのが単純に楽しいと思うのが一番なんですが、そう思えない人の読書の目的は、日々の生活にちょっとした変化を加えることでしょう。
しかし慣れないことをするのは疲れるし、読書に慣れてない人は本を買っても第1章まで読まないらしい。(どこで見たのか忘れたけど9割読まないそうです)
その理由は予想するまでもなく簡単で、単純に日々の生活だけで疲れているから新しいことをするのが難しいのでしょう。
毎日の生活に1時間プラスして、何か努力を要することを始めることができるのは、特別に訓練を積んだ人だけです。
そこで提案なのですが、オーディオブックサービスを活用するのはどうでしょうか?
全然エネルギーを使わないで済みますし、通勤中やゲームしながらでも聴けます。
新しい本を買って人生に変化を起こすというより現実的な方法だと思うし、聴くだけでOKというのは世の中なかなかありませんからね。